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韓国の徴兵について仕組みや問題点などわかりやすく解説します!

韓国 生活   78 Views

日本にはない徴兵制度。

韓国の徴兵制とはどういったものなのか、気になる方も多いのではないでしょうか?

韓国の徴兵制は、植民地支配や南北分断という近現代の歴史に対する思いや、韓国社会のジェンダー意識によって支えられています。

韓国の男性は、19歳の時に徴兵検査を受け、合格すれば原則として20代のうちに徴兵されて1年半から2年にわたる軍隊生活を送らねばなりません。

そのため、軍隊での経験は韓国人男性にとって、ライフヒストリーの重要な一部となっています。

今回は、韓国の徴兵制度について、その存在理由・仕組み・問題点など詳しく解説していきます。

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Contents

韓国に徴兵制がある理由:その歴史的背景と法律上の根拠

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植民地時代に生まれた大韓民国臨時政府の軍事組織「光復軍」を継承するという意識

韓国軍の起源とされる「韓国光復軍」

日本による植民地支配下にあった1919年、日本の支配に抵抗する朝鮮の人たちが朝鮮半島全土で「大韓独立万歳」を叫んでデモを行った「三・一独立運動」が起こりました。

これに対し、日本の朝鮮統治機構であった朝鮮総督府は武力も動員して徹底的な弾圧を行い、事態は沈静化しました。

この流れを受けて同じ1919年に、金九(キム・グ)ら民族主義者が中心となって、中国の上海に亡命政府として「大韓民国臨時政府」が樹立されます。

そして、臨時政府が重慶に移った1940年にその軍事部門として「韓国光復軍」が設置されました。

日中戦争においては、臨時政府を支援する中国の国民党政権と行動し、第二次世界大戦に至るとアメリカをはじめとした連合国の支援を受けて日本との戦闘の準備をしていました。

しかしながら、光復軍が本格的に日本軍と戦闘しないまま、戦争は終結し、1945年に日本による朝鮮半島への植民地支配は終わることになりました。

現在の韓国は、この「大韓民国臨時政府」を起源とすることが憲法に明記されています。

光復軍の精神継承:その理想と現実

したがって、韓国軍もまた、臨時政府のもとにあった光復軍の精神を受け継ぐものとして認識されています。

そのため、韓国の徴兵制は、国民として韓国独立の精神を先人から継承するという意味合いを持っていて、これが徴兵制を維持する社会的コンセンサスの1つの要因となっています。

ただし、1948年に樹立された大韓民国政府のもとでの韓国軍幹部には、相当数の旧日本軍や関東軍出身の軍人がいました。

政府樹立までの過程で、日本の撤退後に朝鮮半島南部を占領していた米軍の意向もあり、総督府官僚や警察官、旧日本軍の関係者が統治機構の担い手として活用され、ついに光復軍出身者は韓国軍の主流にはなれませんでした。

軍の歴史的正統性を揺るがすこのような矛盾は、韓国内の歴史認識をめぐる議論で、たびたびイシューとなっています。

厳しい南北対立:朝鮮戦争での経験から

朝鮮半島南部に大韓民国政府が樹立された同じ1948年、ソ連軍が占領していた北部では、韓国とはイデオロギーを異にする朝鮮民主主義人民共和国が成立しました。

当時の米ソ対立が、現在まで継続している朝鮮半島分断をもたらしたのです。

その延長に1950年から53年までの朝鮮戦争があります。

北の朝鮮人民軍は1950年6月25日、当時、南北朝鮮の境界線であった北緯38度線を超えて南下し、瞬く間に朝鮮半島の大部分を占領しました。

韓国が最も追いやられた時期には、韓国の支配地域は、南部の釜山周辺のわずかな地域と済州島を残すばかりになりました。

北側優勢は、マッカーサーが率いる米軍中心の国連軍が仁川(インチョン)に上陸して、ソウルを奪還するまで続きます。

このような状況になった原因として、韓国では「同じ民族なので、当時は北側が攻めてきて南の人々を殺すとは思っていなかった。そのため軍備は最小限しか保持していなかった。だから、ソ連の援助で軍備を整えた北側がわずかの期間に南を占領できた」という説明がなされています。

これは、韓国における対北軍備の重要性を強調する際に常用される言葉です。

そのため、植民地支配の経験と並んで、朝鮮戦争における初期の韓国軍後退を教訓に、強い軍隊を保持し、徴兵制を維持すべきだ、という意識が韓国社会に広く存在しています。

「軍隊に行ってこそ一人前の男性」という韓国社会のジェンダー意識

これまで述べてきたような歴史的背景以外に、韓国社会において徴兵制を維持する背景となっているのがジェンダー意識です。

つまり、「軍隊に行ってこそ、一人前の男性」だという意識が韓国社会には強くあります。

筆者の経験でも、韓国人から「軍隊に行かないから、日本の男は男らしくない」という発言を何度も聞きました。

また、「日本人男性は軍隊に行かないから、結婚するなら軍隊経験のある韓国人の男性がいい」という韓国人女性も多くいます。

このように、軍隊経験がジェンダー的な「男らしさ」を作り上げるのだという意識は、韓国における日常の些細な会話の中でも見え隠れします。

これは、上記のような植民地支配と分断という歴史的文脈のもとで、「国を守る=女性を守る=男らしい」という意識へと結びついた結果であると言えます。

そして、これが「男なら軍隊に行くべき」という規範意識となって、韓国において徴兵制を維持する原動力となっているのです。

韓国の徴兵は法律で定められた「兵役の義務」に基づいて実施

韓国の徴兵制実施の根拠は憲法と法律の規定にあります。

まず、『大韓民国憲法』第39条1項には次のように「国防の義務」が規定されています。

すべての国民は、法律の定めるところにより国防の義務を負う。

そして、この憲法の条文に基づいて定められた法律が「兵役法」という、日本では聞き慣れない名称の法律です。

兵役法第3条には、

大韓民国国民である男子は憲法とこの法の定めるところにより、兵役の義務を誠実に遂行しなければならない。女子は志願により、現役にかぎって兵役に服することができる。

と定められ、韓国国民の男子に兵役の義務があることが明記されています。

一方で女性については徴兵制ではなく、志願制による兵役とされています。

以上の規定を根拠として、韓国では成人男子に対する徴兵制が実施されているわけです。

さらに徴兵制の運用については、様々な法律や規則で細かく定められています。

韓国の徴兵の仕組みについて解説します!

韓国の徴兵の年齢は満20〜28歳、服務期間は所属により18〜22ヶ月

次に、具体的な徴兵の仕組みについて見てゆきたいと思います。

まず、徴兵の年齢はどうなっているのでしょうか。

軍への入隊は、満20歳の時から、満28歳の誕生日になるまでにしなければなりません。

つまり、20代のうちに徴兵制によって軍隊生活を送ることになります。

ただし、大学などに在学中の者や浪人生などについては、一定の規定を満たせば入隊時期を延期できることがあります。

文在寅(ムン・ジェイン)政権は徴兵制度の改革を進めており、服務期間は2020年入隊者から全体的に短縮されます。

2020年以降入隊者の服務期間は以下の通りとなっていて、所属によって異なります。

  • 陸軍および海兵隊  18ヶ月
  • 海軍        20ヶ月
  • 空軍        22ヶ月
  • 常勤予備役(通勤) 18ヶ月

かつては2〜3年の服務期間で、陸軍に関しては韓国現代史上最長であった70年代の半分となっています。

時代の変化を反映して、かなり短縮されたことになります。

韓国の徴兵までのスケジュール:18歳で徴兵検査、1〜3級判定者が現役入隊の対象

韓国の男子は19歳で徴兵検査を受ける

つづいて、入隊までどのようなプロセスを経るのかにについて、みていきましょう。

韓国の徴兵システムを担っている省庁として、「兵務庁」があります。

徴兵までのプロセスは、兵務庁によって管理・運営されています。

韓国で成人とされる満18歳になると、男性は徴兵検査対象者となります。

そして、19歳で兵役判定の検査である徴兵検査を受けることになります。

検査の日および場所は、軍から指定されるのではなく、本人の都合に応じて選ぶことができます。

徴兵検査には4つのプロセスがある

検査は、次のような4つのプロセスで実施されます。

  • 心理検査
  • 身体検査
  • 適性分類
  • 兵役処分判定

これらによって、医師の所見、本人の学力・経歴・資格などを考慮し、1級〜7級の7つの区分によって判定されます。

うち、現役の兵士として入隊対象となるのは、1級から3級の判定を受けた人となります。

4〜5級の場合は、その他の任務に就き、6〜7級は免除とされています。

1級から3級の身体検査における基準は、次のようになっています。

  • 1級:身長161~203cm、BMI指数20~24.9
  • 2級:身長161~203cm、BMI指数18.5~19.9もしくは25~29.9
  • 3級:身長159~160cm、BMI指数17~32.9/身長161~203cm、BMI指数17~18.4もしくは30~32.9

すなわち、標準的な体格であれば、身体検査はパスすることになり、免除事由に該当しなければ入隊対象となります。

免除事由については、のちほど詳述します。

韓国の徴兵:20歳〜28歳のあいだに入隊

徴兵検査で1〜3級の判定を受けると、満20~28歳の誕生日までに入隊することになります。

その時期は軍が指定する入隊日に応じて、定員に問題がなければ本人の意思である程度調整して選択することが可能です。

すなわち、選択的に満20歳ですぐに入隊することも、逆にギリギリの28歳の誕生日に入隊することもできる、ということです。

決められた年代の間に、本人が申請を出して、軍の許可を得られれば、その時に現役兵として入隊することになります。

なお、1〜3級の判定を受けた者のうちで、大学などに在学中の者や大学浪人生(一部の大学に限る)などは、入隊の時期をさらに延期することもできます。

韓国の徴兵後の服務内容:訓練・休暇・給料について解説します

韓国軍の厳しい訓練:毒ガス攻撃を体験する訓練もある

次に、服務内容についてみていきます。

入隊すると、厳しい軍の規律に拘束された生活を送ることになります。

決められたスケジュールに従って、一日中行動しなければならず、外出や電話やSNS、パソコンによる外部との通信にも厳しい制限が加えられます。

中でも厳しいのが訓練です。

特に入隊前の新兵訓練所での訓練は、軍の厳しさを教えるという精神論的な考え方もあり、教官にしごかれることになります。

入隊前の訓練期間は、陸・海・空軍は5週間、海兵隊は6週間となっていて、陸軍の場合、配属先によりさらに3週間の訓練が加わります。

毒ガス攻撃を実際に体験する訓練もあります。

訓練用の建物の中でマスクを着用せずに毒ガスを浴び、もがきながら建物から出てくる姿は、新入り兵士たちのある種の通過儀礼のようにとらえられています。

言うまでもなく、一歩間違えれば命に関わる非常に危険な訓練であり、すぐに水筒の水などで、目を洗い流させねばなりません。

このような訓練を実施しているのは、北が化学兵器を実戦で使用するかもしれないという想定を背景としています。

徴兵期間中の休暇には定期休暇・慰労休暇などがある

このような、厳しい軍隊生活にあって、息抜きできるのが休暇です。

徴兵期間中の兵士の休暇には、定期休暇、慰労休暇などがあります。

定期休暇は、入隊からの期間によって少しずつ異なります。

入隊から7ヶ月までの場合は6~10日となっていて、その後は8~14ヶ月で7~10日、15~18ヶ月になると8~15日で、入隊中に合計28日以内の定期休暇を申請する権利が兵士に与えられています。

具体的な休暇の日数や時期は、個人の希望や所属部隊の事情を総合して許可されます。

また、これとは別に慰労休暇として「新兵慰労休暇」があります。

これはかつて「100日休暇」と呼ばれていたもので、新兵訓練所終了日から3ヶ月たてば付与される休暇です。

期間は、2泊3日から3泊4日となっています。

それより以前にこの新兵慰労休暇を取得することもできますが、その場合には期間が短縮されます。

それ以外にも特別任務に従事した後などに、慰労休暇が付与されることがあります。

このほか、土曜日などにも勤務する前線の兵士に代休のような形で付与される補償休暇や、上官の任意で「ご褒美」の意味で付与される褒賞休暇、忌引休暇に相当する請願休暇などがあります。

さらに、これらの休暇とは別に、徴兵期間中に合計10日間の外出・外泊が認められています。

ソウルの街角で時折、軍服姿の男性が彼女とデートしている姿を見かけますが、その大半が外出許可を得た徴兵中の兵士です。

徴兵期間中には給料が支給される

韓国軍では、徴兵期間にある兵士に給与が支払われています。

しかし、一般の職業と比較した時、決して高いとは言えない水準です。

衣食住の基本的な費用は国家が出しているので、生活するのにとくに費用はかからないから、というのがその理由でした。

ところが近年、徴兵された兵士たちの待遇改善が図られるようになり、それに伴って、給与も引き上げられつつあります。

2019年時点の近い将来の目標として、最低賃金の50%程度まで引き上げることが掲げられています。

これによれば、2019年時点で月給は40万5,700ウォンとなっていますが、これを毎年徐々に引き上げ、2020年には54万900ウォン、2022年には67万6,100ウォンとなる予定です(2019年8月現在)。

引き上げられても日本円で月6万円程度ですので、一般的な給与と比べればやはり低水準に抑えられていると言えるでしょう。

韓国では徴兵後も予備役の義務がある

韓国軍では、徴兵期間を終えて除隊となっても、それで終わりではありません。

さらに除隊から8年間は、予備役の義務を果たさねばならないからです。

予備役というのは、普段は軍とは関係のない生活をし、非常時になると軍の命令にしたがって、兵士としての任務を果たすポジションです。

軍から召集・出動命令があった場合には、仕事や学校を休んで駆けつけなければなりません。

これは、実際の非常時だけでなく、定期的な訓練や、抜き打ち訓練もあるので、責任ある仕事を任されている社会人にとっては大きな負担となります。

ソウルなど、大都市圏で市街戦の訓練を見かけることがありますが、この予備役の訓練であることが多いです。

企業などの雇用主や在学する大学なども、予備役の任務で召集された職員・学生に、予備役の任務に参加したことを理由に不利益を与えてはなりません。

もし、このようなことがあった場合には、法的に罰せられることになっています。

韓国で徴兵が免除される場合もある

韓国で大学生は徴兵免除にならない

韓国では兵役が国民の義務となっていて徴兵制が実施されていますが、中には徴兵が免除される場合もあります。

では、徴兵年齢で大学に在学中の学生の場合はどうなのでしょうか?

結論から言うと、大学生であるとの理由では、徴兵の免除対象にはなりません。

むしろ、大学時代に兵役を済ませておく大学生が多くいます。

これは、卒業後に先延ばしすると、就職に響くからです。

すなわち、企業の側からすれば、徴兵対象の人材を採用すれば、採用後に徴兵されて職場に欠員が出てしまいますので、すでに学生時代に徴兵され、兵役を済ませた人材が採用される傾向があるからです。

韓国人で海外在住者(在日韓国人を含む)・留学生は徴兵免除になる

韓国国籍の男子であっても、韓国以外の国で生まれた人や韓国国内で生まれたが6歳~18歳まで国外で育った人(ただし、韓国での修学は3年以内)、あるいは18歳になるまでに家族全員が永住権を取得した人の場合は、徴兵が免除されます。

このため、日本で生まれ育った在日韓国人の場合は、徴兵の対象にはなりません。

また、在日韓国人が韓国に留学などで一時的に滞在をした場合も、徴兵の対象にはなりません。

一方、韓国に住んでいて海外に留学している韓国人の場合は、留学期間中は徴兵されませんが、これは猶予であり、免除はされません。

帰国後には徴兵対象者としての規定を満たせば、兵役の義務を果たさねばなりません。

韓国に住む在日韓国人男性は徴兵される:免除には事前手続きが必要

しかしながら、韓国に永住帰国したり、韓国内の住所に住民登録したりした場合、在日韓国人男性も徴兵の対象になることがあります。

もちろん、在日韓国人で徴兵免除の条件を満たしていれば徴兵されることはありません。

しかし、韓国国籍を所持したまま韓国に滞在する場合には、徴兵対象に絶対ならない満37歳までは、パスポートを更新する際、同時に「兵役義務者国外旅行期間延長許可申請」を忘れないように手続きしなければなりません。

不備があった場合には、徴兵の対象となることがあります。

兵役につく意志があれば別ですが、ない場合には注意しましょう。

韓国でタトゥー・刺青の入った人は徴兵免除になる

最近、韓国ではタトゥーを入れる若者が増えています。

かつては日本と同様に、韓国社会でも反社会的な行為とみなされていたタトゥーや刺青ですが、時代の変化とともに韓国社会に受け入れられるようになってきています。

むしろ、日本よりも寛容で、ファッションとして認識されつつあり、サウナなどでも最近は「出入り禁止」などということはなくなってきました。

しかし、まだまだ文化的にタブーと考える意識もあって、タトゥーや刺青の入った人は軍隊に入隊する人物としてはふさわしくないと考えられています。

このため、タトゥー・刺青の入った人は、軍人として不適格とされるため、徴兵されません。

逆に言えば、タトゥーを入れてしまえば徴兵されないため、徴兵逃れの口実としてタトゥーを入れてしまう人もいるようで、複雑です。

韓国で優秀な成績をあげたスポーツ選手は徴兵が免除になる

韓国の国家代表選手としてオリンピックやワールドカップなど、国際的な舞台で活躍し、優勝するなどしたスポーツ選手は、徴兵が免除になります。

スポーツで世界のトップレベルまで行くには、相当の訓練と実戦を重ね、自分の青春時代の貴重な時間をそのために犠牲にしなければなりません。

そして、その結果として、国際的な舞台で金メダルを取るなどの栄誉を獲得することができます。

韓国の選手が優勝するなどした場合、数え切れない試練に耐えて韓国の国際的名誉を高め、国家に貢献したものと見なされます。

このため、徴兵されるのと同等以上の国民としての義務を果たしたものとされて、徴兵は免除されるのです。

韓国で病気・障害のある人は基準にしたがって徴兵が免除される

徴兵検査において、疾病・心身障害のため軍隊での服務が不可能であると判断された場合には、徴兵が免除されます。

これには段階があり、ハードな現役兵としての勤務は難しいが、拘束度の低い補充役であれば勤務できる程度の疾病・心身障害と判断された場合には4級判定が下り、補充役として徴兵されます。

徴兵検査で、この補充役としての任務も不可能なほどの疾病・心身障害であると判断されると、6級判定となり、徴兵対象から外されます。

その他韓国で徴兵が免除されるケース

以上のほか、次のようなケースは徴兵が免除となります。

  • 脱北者である場合
  • 6年以上の懲役または禁固の刑に処せられた場合
  • 本人以外に家族の生計が維持できる者がいない場合(審査による)
  • 学歴が規定に達していない場合(審査による)
  • 孤児である場合(審査による)
  • もともと外国籍であったが韓国籍を取得した場合(審査による)
  • 身長が140cmに満たない場合

さらに、一時的に徴兵が延期となるケースもあります。

すでに言及した海外留学中の場合のほか、刑事処罰により服役中の場合(6年以上の懲役・禁固は除く)や、警察・検察に身柄を拘束されている場合、海外を往来する船舶での業務に従事している場合がこれに該当します。

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韓国の徴兵に代わる「代替任務」

厳しい競争を勝ち抜いたエリート「義務警察」

韓国の徴兵制には、兵士としての任務につく徴兵に代わる「代替任務」の制度があります。

その一つが「義務警察」です。

日本では聞き慣れない名称ですが、軍ではなく警察組織に所属して18ヶ月間(海上警察の場合は20ヶ月間)、日本の機動隊のような職務などに従事します。

日本のテレビニュースで、しばしば韓国のデモが放映されることがあります。

この時、前線で盾を持ち、黒いヘルメットをかぶって警備をしているのもこの義務警察です。

義務警察の構成員は正規採用された警察官でなく、指揮をとる上官をのぞいて代替任務の人員が充てられています。

兵役の代替任務として義務警察に採用されるには、身体検査から学力や身体能力などに関する厳しい選抜過程があり、いわば、義務警察は韓国徴兵制度のなかのエリートであると言えます。

大変人気があり、多くの徴兵対象者が代替任務としての義務警察を希望します。

その理由として、まず、24時間管理される軍生活とは異なり、義務警察は緊急事態や訓練などの特別な場合を除いては勤務時間のみの拘束で、自宅から通うこともできる点があります。

また、期間終了後に正規の警察官として採用されやすくなるため、厳しい就職戦線を戦う韓国の若者にとって、安定した警察官への就職ルートとして注目されていることも、人気の理由となっています。

なお、韓国の徴兵制度において特異な存在となっている義務警察制度は、近年廃止が検討されています。

このため、将来的には無くなっていく可能性が高くなっています。

思想・信条や健康上の理由などによる「公益勤務」

公益勤務の対象は宗教など思想・信条や健康上の理由がある者ならびに特殊技能がある者

義務警察以外の徴兵に代わる代替任務として「公益勤務」があります。

まず、宗教などの思想・信条により、軍隊での任務ができないという人が対象になります(2020年〜)。

これらの人たちは、徴兵の命令を拒否することでその思想・信条を守ろうとしてきた歴史がありますが、基本的人権の観点から徴兵に代わって、非軍事部門での「公益勤務」が認められるようになりました。

また、学術的・技術的な能力が高いと認められた人物も対象になります。

彼らは「専門研究要員」「産業技能要員」と呼ばれ、兵務庁が指定する業種において、国家産業の育成・発展に貢献する業務に従事することになります。

公益勤務には社会奉仕活動など様々な種類がある

一般的に公益勤務が認められると「行政官署要員」として、21ヶ月のあいだ、行政機関で事務・受付・警備などの業務に従事したり、老人福祉分野などの公益性の高い社会奉仕活動に従事したりします。

他方、学術的・技術的な能力が高いと認められた人物の場合は「専門研究要員」「産業技能要員」と呼ばれるポジションで、約3年間服務します。

専門研究員・産業技能要員は、兵務庁が指定する業種においてそれぞれの能力を活かして、国家産業の育成・発展に貢献する業務に従事することになります。

韓国の徴兵制度をめぐる問題点

「男性のみの徴兵は男性差別/女性差別か」をめぐる性差別論争

韓国には政府機関として女性家族部(部は日本の省に相当)があり、フェミニズム運動も盛んで、男女平等への取り組みが活発な国の一つです。

そのような流れの中で、男女平等の観点から男性のみが徴兵される現行制度が女性差別に当たるのではないかとの議論があります。

一方で、男性の一部からは男性だけが徴兵されて義務を果たしているのに、他の分野では男女平等を言うのは不公平で、男性を差別するものではないか、と言う声も上がっています。

相次いだ体罰や暴力事件:組織の閉鎖性と「開かれた軍隊」への模索

韓国では、上官による軍隊内の体罰や暴力事件が2000年代から社会問題としてクローズアップされるようになりました。

近年は厳罰化によってかつてよりは減少傾向にありますが、軍隊の性格上、組織が閉鎖的であるため、事件が明るみに出にくい、と言う問題があります。

徴兵される青年たちからすれば、徴兵制度そのものへの忌避感につながるものであり、軍にとっても課題となっています。

機密や保安を維持しながら、いかに「開かれた軍隊」として変化していくか、韓国軍は模索しているところです。

徴兵による学問やキャリアの中断 交際中の彼女との関係にも影響

徴兵制度の持つ問題として、学問やキャリア形成にとって重要な20代の時期に、それが中断してしまうことがあります。

激しい競争社会にあって、男性のみにこれが課されていることが徴兵制への不満になっています。

また、軍隊生活では様々な規制があるために、交際中の彼女との時間が制限されてしまい、場合によっては入隊を契機に別れてしまうカップルもいます。

徴兵制をめぐる韓国青年たちの本音とタテマエ:一部には廃止論も

韓国社会では徴兵制を維持しようという世論が圧倒的に多くなっています。

しかし、その一方で、これまでみてきたような課題もあって、一部に廃止論も存在しています。

20代の貴重な時間を犠牲にする徴兵制度に対し、タテマエとしては否定しなくても、本音のところでは徴兵されなくてすむのであれば、そのほうがいい、と考える若者もいるのが実情です。

まとめ:韓国の徴兵について仕組みや問題点など詳しく解説します!

これまで、韓国の徴兵について、解説してきました。

韓国の徴兵制度は植民地支配や南北分断という近現代の歴史や、ジェンダー意識によって支えられています。

憲法の規定により運用されている徴兵制によって、韓国の20代男性は、徴兵検査に合格すれば徴兵されます。

そして、好む・好まざるを問わず1年半から2年にわたる軍隊生活を送らねばなりません。

日本にはない徴兵制度ですが、韓国人男性にとってはライフヒストリーの重要な一部となっています。

韓国の徴兵について知ることで、韓国の歴史や社会、韓国人の人生観について理解する手がかりの一つになるのではないかと思います。

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