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韓国の兵役(期間・年齢・免除事由・内容など)についてわかりやすく解説!

韓国 生活   1,706 Views

韓国では、憲法と法律の規定に基づいて成人男子に兵役の義務が課せられています。

日本に住む私たちには少し馴染みのない兵役ですが、韓国の男性にとっては一種の通過儀礼のようなものになっています。

では、韓国の兵役の期間・対象年齢・内容はどうなっているのでしょうか?

韓国では一般的に、20代のうちに1年半から2年のあいだ兵役に服します。

兵役中は軍隊という名の階級社会の秩序に従い、厳しい規律のもとで日々を送られねばなりません。

一方で、条件を満たせば兵役を免除されるケースもあります。

この記事では、日本に住む私たちが知らない韓国の兵役について、わかりやすくかつ徹底解説をしていきます。

Contents

韓国で兵役は国民の義務

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兵役は韓国男性国民の義務

韓国では憲法と法律の定めに基づいて、成人男子国民に兵役の義務が課せられています。

『大韓民国憲法』第39条1項には「すべての国民は、法律の定めるところにより国防の義務を負う」として「国防の義務」が規定されています。

 さらに兵役について規定した法律である『兵役法』には、その第3条に「大韓民国国民である男子は憲法とこの法の定めるところにより、兵役の義務を誠実に遂行しなければならない」とされ、男子国民に「兵役の義務」があることが明記されています。

これにより、韓国では男性国民を対象とした徴兵制がとられています。

兵役の義務が済んでいない韓国の男性は、兵役逃れを防止するために旅行などでの韓国出国に制限がかかります。満25歳以上で兵役を終えていなければ、海外に渡航するにあたって、兵役に関する業務を統括する兵務庁から許可を得なければなりません。

女性の兵役について一部に議論

一方、『兵役法』第3条には続けて、「女子は志願により、現役にかぎって兵役に服することができる」とあります。

つまり、徴兵制が適用される男性とは異なって、女性の場合には、希望によって軍に服務する志願制が採用されています。

韓国の憲法でも基本的人権の原則として「法の下の平等」が謳われていますが、国民としての義務である兵役に関して、男女に差があることをめぐる議論が一部であります。

とくに近年、女性の権利拡充が世界的に要請されるようになり、韓国でも女性家族部などが中心となって様々な施策が検討・実行されています。

その一方で、男性のみに課される兵役の義務は、韓国社会において家父長制的な男性優位の論理を正当化するものでもありました。

「男は兵役に服して国を守る義務を果たしているのだから、兵役の義務のない女より優遇されるのは当然」という考え方です。

今後、女性の権利拡充が進むとともに、このような男性優位を正当化する論理と男女平等の論理との狭間で、女性に兵役の義務を課すことの是非、ひいては徴兵制そのものへの是非(志願制への移行)をめぐって議論が活発化することが予想されます。

韓国における兵役の期間:組織によって異なる

陸軍の服務期間

では、続いて兵役の期間についてみてゆきたいと思います。

期間は陸軍・海軍・空軍・海兵隊の各組織によって異なります。

まず、陸軍ですが2020年入隊者から適用される規定では、18ヶ月となっています。

期間としては、海空軍の服務期間よりも短めです。

海軍の服務期間

つづいて海軍の服務期間はどのようになっているのでしょうか?

海軍の場合は、同じく2020年入隊者から適用される規定では、陸軍よりも2ヶ月長い20ヶ月の服務期間となっています。

このように陸軍よりも服務期間が長くなっている理由は、海軍の任務では艦船に乗って海上での任務ができるようになるまで、業務に熟練する期間を要する、という問題があるからです。

海兵隊の服務期間

 次に海兵隊です。

韓国の海兵隊における兵役の服務期間は、2020年入隊者から陸軍同様の18ヶ月とされています。

空軍の服務期間

最後に空軍です。

空軍の服務期間は2020年入隊者から22ヶ月とされています。

これは、海軍よりさらに2ヶ月長く、陸軍・海兵隊よりも4ヶ月も長くなっています。

空軍の場合は、兵役に就いてから戦闘機のパイロットとして育成しなければならないため、海軍以上に人材養成に時間がかかるためです。

服務期間後には予備役・民防衛としての義務が

上記の兵役服務期間が終われば、すべてが終わりというわけではありません。

除隊後も8年間は予備役(予備軍)として兵籍に残ります。

予備役になると、平時にはそれぞれの場所で生活し、非常時に召集されて兵士としての務めを果たします。

言うなれば、何かあった時の臨時の兵士として韓国軍の一角を担う立場です。

非常時以外にも、訓練があり、原則として拒否することはできません。

召集の命令に従わなければ刑事罰の対象となります。

さらに、満40歳までは「民防衛」といわれる義務があります。

韓国には、民防衛基本法によって定められた民間防衛組織として「大韓民国防衛隊」があります。

この組織の一員として、戦時のほか、災害時など非常事態発生の際に動員され、交通統制や灯火管制、人命救助などの任務に当たります。

また、平時にも戦時や災害時の訓練を行ったり、防災意識を高めるための啓発活動を行うこともあります。

すすむ期間変更・法改正:徐々に短縮される傾向に

軍部クーデターによって成立し、独裁政治を行っていた朴正煕(パク・チョンヒ)政権の時代である60〜70年代。

韓国陸軍では、約3年間の兵役が課せられていました。

兵役の服務期間がもっとも長かったのが1968年で、陸軍が36ヶ月、海軍と空軍は39ヶ月もの期間を軍隊で送っていました。

2020年入隊者からは18ヶ月となりますので、当時と比較するとその半分になったということです。

他の海軍・海兵隊・空軍でも同様に服務期間が短縮されています。

とくに民主化された80年代後半以降から、服務期間が急速に短縮していきました。

その背景には、軍事技術の発展によって以前ほどの人員を抱える必要がなくなったこと、国家財政が厳しい状況にあって軍における人件費削減が求められていること、さらには兵役に対する国民の負担軽減要求などがあります。

韓国における兵役:年齢と入隊までのスケジュール

韓国の兵役の年齢:20代の男性国民が対象

韓国では、満18歳になると徴兵対象者となり、19歳の時に徴兵検査が行われます。

徴兵検査で兵役に就くのに支障がないと判定されれば、満20歳から28歳の誕生日までに入隊しなければなりません。

なお、大学生でとくに優秀な成績の学生などは、規定にしたがって徴兵年齢が卒業後に延長されることがあります。

身体検査など徴兵検査による可否の決定(19歳)

韓国の男性が19歳で受けることになる徴兵検査では、4つの検査が行われ、これらを総合して判定が行われます。

判定は1級〜7級の7つのランクに分類して行われ、3級以上の判定を受けると現役兵として服務することになります。

徴兵検査の1つである身体検査では、身長とBMI指数によって兵役服務の可否が判定されます。

具体的には、身長161~203cmでBMI指数20~24.9の人は1級、身長161~203cmでBMI指数18.5~19.9もしくは25~29.9の人は2級、身長159~160cm、BMI指数17~32.9および身長161~203cm、BMI指数17~18.4もしくは30~32.9の人は3級と判定され、現役兵として兵役服務が可能であると判定されます。

これは、ほとんどの韓国人男性が当てはまる基準となっています。

身体検査のほかには、心理検査、適性分類、兵役処分判定が行われます。

召集令状の受け取り・入隊

徴兵検査で現役兵としての服務が可能とされると、次は入隊となります。

入隊の日については、軍から提示された複数の入隊日から選ぶことができ、定員超過でなければ、任意の日に入隊できるようになっています。

満20歳から28歳の誕生日までで、入隊しようと思った時期に、兵役服務の申請書を提出すると、それに応じて本人宛に軍から召集令状が発送されます。

召集令状を受け取ると、指定された日に新兵訓練所に出向いて軍生活が始まります。

訓練所では、海兵隊が6週間、その他が5週間の訓練を受けます。

陸軍の場合、その配属先によってはさらに訓練期間が長くなることもあります。

韓国の芸能人が軍隊に入隊する際に、ファンたちに囲まれてメディアに登場することがありますが、その多くがこの新兵訓練所の前となっています。

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韓国における兵役:条件を満たせば免除も 一方で兵役逃れには厳罰

兵役が免除される条件

韓国では男性に兵役の義務が課せられている一方で、条件によりこれを免除されることがあります。

その条件についてみていきましょう。

兵役が免除されるのは、次のような人たちです。

まず、兵役の義務を果たすことのできない疾病・障害のある人が免除になります。

身体的な理由としては他にも、身長が140cmに達していない人や、刺青・タトゥーがある人は兵役の義務から除外されます。

次に、6年以上の懲役・禁固により服役している人は兵役が免除されます。

また、脱北して韓国籍を所持している人も兵役は免除です。

オリンピックなどの国際的な大会で優秀な成績を収めたスポーツ選手は、国家への貢献度が評価されて兵役免除となります。

さらには、長期にわたって外国に暮らしている人は兵役免除となりますが、これには在日外国人も含まれます。

ただし、韓国に住所を移した場合には兵役の義務が課せられますので、免除を希望する際にはパスポート更新時に「兵役義務者国外旅行期間延長許可申請」を提出する必要があります。

さらに、以下の場合にも兵役は免除されますが、その可否は所定の審査を経て決定されます。

  • 本人の労働によらなければ家族の生計が維持できない人
  • 学歴が規定を満たさない人
  • 孤児
  • 韓国に帰化した人

一方、海外留学中の人や優秀な一部の大学生は兵役の含む時期が延長されますが、免除にはなりません。

韓国の徴兵の仕組みについて、詳しくは「韓国の徴兵について仕組みや問題点など詳しく解説します!」でお伝えしています。

兵役逃れへの罰則

韓国で納税などと並んで、国民の義務とされている兵役ですが、免除の条件に該当するかのように装うなどしてこれを逃れようとする人もいます。

このような事実が発覚した場合には、兵役が法で定められた義務である以上、罰則があります。

兵役法には、兵役逃れをすれば1年以上3年以下の懲役に処する、という罰則が明記されています。

また、政治家・財界人・芸能人といった社会的名声のある人やその子弟が兵役逃れをした場合には、刑事罰以外にもメディアなどで国民の批判を浴び、仕事をしにくくなったり、親の地位が危うくなるなど、社会的制裁を受けることもます。

韓国における兵役:その内容をお教えします

厳しい規律と訓練 毒ガスを使った訓練も必須!

兵役で厳しいのは階級制度による規律と訓練

兵役中は軍隊に属して部隊生活を送ることになります。

そのため、軍隊の厳しい規律の中で生活しなければなりません。

特に過酷なのが、上官への絶対服従を求められる厳しい階級制度と毒ガスも使用した訓練です。

階級社会であるため、かつては上官によるいじめやパワハラがあとを絶ちませんでしたが、近年は上官に対する教育や告発窓口設置などにより、軍隊内で積極的に事前防止や相談・処罰を行っています。

入隊すると最下位の2等兵となる

入隊すぐの段階では、陸軍の場合ですと階級は2等兵(韓国軍では2兵と略されます)になります。

2等兵は軍隊で最下位の階級ですので、絶対的な階級制度のある軍隊では厳しい立場に置かれます。

2等兵として勤務中は、休息なしに動き回るということなど日常茶飯事だと、兵役経験者からよく聞きます。

3ヶ月程度で1等兵に昇進

韓国軍では一般的に兵役開始から3ヶ月程度で、1等兵(1兵)に昇進します。

1等兵になると2等兵の管理をすることが要求されます。

つまり、2等兵が問題を起こせば1等兵が責任を問われるので、自分の仕事のみならず部下の仕事もチェックする必要があり、肉体的に苦しい2等兵とは異なって心理的負担が増します。

上等兵そして兵長へ

さらに7ヶ月が過ぎた頃には、次は上等兵(上兵)に昇進します。

ここまで来れば、これまでよりは少々楽になると言われています。

2等兵の管理は1等兵が行うので、肉体的・心理的負担が激減するからです。

その後、7ヶ月ほどで兵長になり、兵役期間の終了が目前になります。

なお、兵役中の兵士は兵長が最高の階級で、これ以上は職業軍人の階級となります。

毒ガスも登場する厳しい訓練

韓国では入隊前、新兵訓練所に入って、基本的な軍隊の挨拶や行進をはじめとした兵士として最低限の訓練を含めて、さまざまな訓練を行います。

新兵訓練所の入所期間は、陸軍、海軍、空軍では5週間、海兵隊では6週間です。陸軍では、配属する部隊によって、3週間の訓練が追加されます。

新兵訓練所での訓練には、毒ガスを実体験するものもあります。

このような厳しい訓練は、南北分断という現実を反映してのものです。

もちろん、入隊後にも必要に応じて厳しい訓練が実施されます。

兵役中の休暇とその過ごし方

韓国軍では兵役中、基本的に週休2日制となっています。

しかし、週ごとの休暇でも、外出する場合には許可が必要なので、部隊内でテレビを観たり本を読んだりして、休養をとることも多いようです。

これ以外にも、次のような休暇があります。

  • 定期休暇 : 本人の申請によって取得可能な休暇。一般企業の有給休暇のようなイメージで許可制。入隊から7ヶ月までは6~10日、8~14ヶ月は7~10日、15~18ヶ月は8~15日と定まっており、兵役中に合わせて28日までを申請できる。個人の希望や所属部隊の事情を総合して許可。
  • 新兵慰労休暇(旧「100日休暇」) : 新兵訓練所終了日から3ヶ月後に与えられる休暇。期間は2泊3日〜3泊4日。
  • 特別任務慰労休暇 : 特別任務に従事した後などに、与えられる慰労休暇。
  • 補償休暇 : 土曜日など本来は休暇の日に勤務する兵士に与えられる代休。緊張状態にある前線の兵士に与えられる場合が多い。
  • 褒章休暇 : 褒章の意味で上官の任意により与えられる休暇。
  • 請願休暇 : 忌引休暇に相当。

さらに、兵役中に合わせて10日の外出・外泊が許可されます。

携帯電話や手紙にも一定の制限

公衆電話は兵士のため?部隊内スマホ解禁で変化しつつある

携帯電話が普及して随分とたちますが、韓国では街角に公衆電話を意識的に残してきました。

その理由は、「休暇中の軍人が使うから」でした。しかし、今後は公衆電話の数が減少してゆくかも知れません。

それは、2019年4月から、韓国軍の兵士たちが日課後にスマホを使って情報を検索したり、動画を視聴したりすることができるようになったからです。

このため、兵役中の兵士たちが休暇中にスマホを持ち歩くのが当然になってきていて、公衆電話を使う兵士はほとんど見かけなくなりつつあります。

「人生の空白期間」は昔の話に

かつて、兵役中は部隊内で電話・パソコンを使うことはできませんでした。そのため、兵役に就くと社会と隔絶してしまうという時代もありました。

このような時代には、兵役期間は「人生の空白期間」と呼ばれていたのです。

「人生の空白期間」と呼ばれていた当時、兵役に就いていた人たちからすれば、スマホを兵役中に使うなど、まさに隔世の感でしょう。

スマホ使用が許されたことは、韓国軍の歴史において非常に画期的な出来事でした。

一方でスマホ使用には厳しい規制もある

しかし、当然ながら規律の厳しい軍隊にいる以上は、日常生活で使用していたようにはスマホは使うことができません。

まず、使用時間についての制限があります。

平日の場合、日課が終わった午後6時~午後10時、休日は朝7時~午後10時までと決まっています。

さらに、軍隊にとって重要なのが情報の保安です。

個人のスマホに撮影・録音、使用時間などを制御するアプリをダウンロードさせて、情報漏洩の防止や使用時間の管理が徹底されるよう工夫しています。

手紙は差し出し・受け取りとも検閲される

また、手紙については差し出すことも、受け取ることも原則可能ですが、いずれの場合にも検閲で軍に内容をチェックされます。

韓国でも日本と同様に、一般国民に対する検閲は原則として禁じられていますが、軍隊という組織の性格から、兵役中の兵士には実施されているのです。

兵役中は国から給料が支給

兵役中には国から給料が支給されます。

ただし、その水準は日本円で数万円程度と、韓国の一般的な賃金と比べて非常に低く抑えられているのが現状です。

衣食住の基本的な費用は国家が出しているので、生活するのにとくに費用はかからないから、というのがその理由でした。

文在寅(ムン・ジェイン)政権で、兵役における待遇改善が検討され、徐々に給料を引き上げていくことが決定しています。

しかしながら、それでも、給料引き上げの目標額は最低賃金の50%程度に過ぎません。

まとめ:韓国の兵役について徹底解説!

これまで、韓国の兵役について、期間・対象年齢・内容などお伝えしてきました。

韓国では一般的に、20代のうちに兵役に服します。

期間は組織によって異なり、2020年入隊者からは、陸軍および海兵隊が18ヶ月、海軍は20ヶ月、空軍は22ヶ月となっています。

兵役中は階級社会の秩序に従い、厳しい規律のもとで日々を送られねばなりません。

一方で、病気や障害がある場合など条件を満たせば兵役を免除されるケースもあります。

もし韓国人男性と交流する機会があれば、一度、軍隊での経験を聞いてみてください。

苦労した話、笑える話など、その人ならではの経験談が聞けるのではないかと思います。

そして、兵役という苦しい経験をあなたに打ち明けたことで、その人はあなたをとても身近に感じるようになるでしょう。

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