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オーストラリアはアジア系が多い国?その理由と日本との繋がり~中国人問題まで

 

日本人に人気の国のひとつでもあるオーストラリア。

オーストラリアの経済首都「シドニー」の中心地は、半分以上がアジア人と言えるほどの状態になっているようです。

その理由は、オーストラリアが移民によって社会が成立している国になっているからです。

 

  • アジア人だらけのシドニー中心部
  • オーストラリアの自然環境やアジア諸国へ輸出される資源・農産物
  • 貿易から見るオーストラリアの歴史と日本の関係
  • 日本人と中国人の移住に対する捉え方の違い
  • 近年の中国人問題

 

これらを知っているだけで、オーストラリアの真の姿が見えてくるはずです。

オーストラリアへ渡航する際、新たな目線でオーストラリアを見るキッカケのひとつにしてください。

 

オーストラリアのシドニー中心部を歩くとアジア人だらけ?

世界で3番目に日本人が多く住んでいる国といえば・・・・・オーストラリア。

2019年6月の統計で、現在のオーストラリアの人口は約2,500万人強、日本の人口の1/6ほどになります。

人口密度は、日本の約370/㎢に対して、オーストラリアは約3/㎢。

 

1970年代以降、多くのアジア系の移民を受け入れてきたオーストラリアには、今や4人に1人が外国生まれの移民がいると言われています。

オーストラリアヘの移住目的で入国している人数は年間40万人前後、その内中国からの移住者が大きな割合を占めます。

メルボルンの町には、100か国以上の人が住んでいます。

 

シドニーの中心地は50%以上がアジア人で、白人は周辺のボンダイやノース方面にいるというドーナツ化現象が起こっています。

 

オーストラリアは日本から移住・旅行先として人気の高い国

住みやすい街世界ランキングの上位に入る街がいくつもあるオーストラリアには、日本からも多くの人が移住しています。

ワーキングホリデーでも、オーストラリアは高い人気を誇っています。

人気の理由は、気候の良さだけでなく、日本から近く時差も少ない英語圏だから・・・・・。

そのうえ、自然が豊かな国で、治安も良いということがあげられます。

 

日本からオーストラリアまで、飛行機でおよそ10時間。

時差はわずか1時間なので、時差ボケなどの心配もありません。

世界で6番目の大きさを誇るという広大な土地は、日本の約21倍にもなります。

 

オーストラリアには19もの世界遺産がある

オーストラリアには、文化遺産3件・自然遺産12件・複合遺産4件の世界遺産があります。

 

【人気の5選】

  • グレート・バリア・リーフ(世界自然遺産)
  • ウルル=カタ・ジュタ国立公園(世界複合遺産)
  • オペラハウス(世界文化遺産)
  • ブルー・マウンテンズ(世界自然遺産)
  • 王立展示館とカールトン庭園(世界文化遺産)

 

【自然遺産】

  • クイーンズランドの湿潤熱帯地域(タウンズビル~クックタウン)
  • ゴンドワナ多雨林群(ニュー・サウス・ウェールズ州~クイーンズランド州)
  • シャーク湾(西オーストラリア州)
  • ニンガルー・コースト(西オーストラリア州)
  • ハード島とマクドナルド諸島(インド洋)
  • パーヌルル国立公園(西オーストラリア州)
  • フレーザー島(クイーンズランド州)
  • 哺乳類化石地域(南オーストラリア州、クイーンズランド州)
  • マッコーリー島(タスマニア沖)
  • ロード・ハウ島群(東方沖)

 

【文化遺産】

  • オーストラリア 囚人遺跡群

 

【複合遺産】

  • ウィランドラ湖群地域(ニュー・サウス・ウェールズ州)
  • カカドゥ国立公園(ノーザン・テリトリー)
  • タスマニア原生地域(タスマニア州)

 

オーストラリアは自然豊かな土地ですが、実は国土の2/3は厳しい砂漠や荒地でもあるのです。

人が住むのも植物を育てるのも厳しい砂漠や荒地では、乾燥地帯でもよく育つ羊が育てられ、全土でおよそ7200万頭飼われています。

何とその数は、オーストラリアの人口の3倍以上で、羊毛の輸出量が世界第1位の国です。

 

イギリスが貿易相手国だったオーストラリアの歴史

オーストラリアは、かつてイギリスの植民地であったことから、60 年代まではイギリスが最大の貿易相手国でした。

世界一を誇る羊毛は、1970年半ば頃まで毛織物が盛んなイギリスへ輸出されていました。

1973年、イギリスはEC加盟をきっかけに、地理的に近いヨーロッパ諸国との経済の結びつきを強くしていきます。

そこでオーストラリアも、地理的に近いアジアへ貿易をシフトしていったのです。

近年の貿易相手国は、1位中国、2位日本とアジア圏に変わっています。

 地理的に近いから・・・?ただそれだけでイギリスを離れ、アジアとの結びつきを強めるワケがありません。

もう少し理由を探ってみることにしましょう。

 

人の移動で強まるオーストラリアとアジアの結びつき

オーストラリアの大地には、鉱山資源が豊富にあります。

そこで産出される鉄鋼石は日本や中国に輸出され、車や家電・電子機器に使われています。

今では羊毛に代わって、鉄鉱石は輸出品の第1位。

鉄鉱石を運ぶオーストラリアの車両は約680両もあり、その長さは7kmにも及びます。

 

日本との経済関係を深めたのも、羊毛と鉄鉱石です。

日本からは米と石炭、オーストラリアからは羊毛を輸出するのが2国間貿易の始まりです。

1930年代には日本は、羊毛の輸出先として第2位の貿易相手国にまでになりました。

日本にとってオーストラリアは、工業に必要な鉄鉱石・羊毛、石炭・天然ガスなどの原料・燃料の輸入先として重要な国となりました。

日本はオーストラリアに、自動車・電気機械・コンピューターなどを輸出していますが、輸入額の方が輸出額を上回る年が続いています。

 

距離が近いと物を輸送する時間やコストが少なくてすむため、オーストラリアからはアジア諸国に多くの物が輸出されています。

では、どんなものを輸出しているのでしょう。

 

北半球と反対になる気候を生かした農作物の輸出

気候を生かした農作物として代表的なものといえば…”さくらんぼ”です。

日本では6月に収穫される”さくらんぼ”は、オーストラリアでは12月に収穫を迎えます。

南半球のオーストラリアは、ちょうど日本とほぼ反対の季節になるのです。

オーストラリアは北半球と反対になる気候を生かし、収穫期が重ならない農作物をアジアの国々へ輸出するようになったのです。

その他にも東南アジアの国々で、ミルクやバターなどの乳製品、ハムやソーセージなどの肉類や缶詰などは、毎日のように 空輸 されています。

オーストラリア⇔アジアは、距離が近いことがメリットとなり、結びつきがより強くなっていきます。

 

アジアと繋がる理由のヒントはオーストラリアの街中にある

シドニーやメルボルン、パースのような州都の繁華街を歩いていると、「チャイナ・タウン」と称される地区を簡単に見つけることができます。

 

シドニーでは、オペラハウスから最大の繁華街であるジョージ・ストリートは、観光客目当ての飲食店や土産屋が立ち並ぶ歩行者天国。

チャイナ・タウンは、この通りを15分ほど歩いたところにあります。

この界隈には中国語表記の建物が多く、耳にする言語も中国語の方が多いせいか、まるで中国か東南アジアの町中に来たような錯覚すら覚える空間が広がっています。

チャイナタウンの魅力の一つは、フードコート(中国語で「美食中心」=現代風の屋台村)の賑わいです。

香港・台湾料理はもちろん、シンガポール・マレーシア・ベトナム・タイなど、華人が好む庶民の味が手頃な料金で味わえます。

 

シドニーにこれだけのアジア系の人が多いのには、こんな理由がありました・・・・・。 

 

世界中のおよそ200の国々からやってきた人々で形成されているのが、オーストラリアという国です。

オーストラリアには1788年~1868年までの80年間に、16万4千人のイギリスの囚人が送られた流刑植民地だったという歴史的背景があります。

第二次大戦後、国の生き残りと発展のために、ヨーロッパから来た移民や避難民を受け入れました。

1970年代以降は、アジア諸国からも定住・永住を希望する移民を前提として、多くの人を受け入れることで発展してきたのです。

そのため政府は、移民が暮らしやすいよう、多言語や多文化を尊重する支援を行っています。

 

例えば、

政府の運営する「TIS」という24時間対応の通訳サービスは、160か国以上の言語に無料で対応しています。

さらに、学校では異文化理解のために、英語以外の言語を積極的に教えています。

日本の昔話を教える学校まであるほどです。

住みやすく、仕事があるオーストラリアに、近くのアジア諸国からたくさんの移民が渡ってきた結果、現在オーストラリアは先進国としては例のない経済成長を維持し続けています。

 

このような成り立ちのオーストラリアには、中華街はもちろん、イタリア人街、スペイン人街などのエスニックタウンも至るところに存在しているのです。

 

シドニーの中心部から電車で西へ30㎞程にあるカブラマッタは、シドニー第2のチャイナタウンと呼ばれています。

シドニー中心部から電車で西南へ30分程にあるケンプシーは、韓国人が多い町として知られています。

またケンプシーは、インドシナ以外の東南アジアの華人や、中国大陸からの新移民の増加が著しい地区でもあります。

 

オーストラリアにはやっぱりアジア人が多かった

1970年代以降、多くのアジア諸国 からの移民を受け入れることによって、オーストラリアは国としての生き残りと発展を図っていく舵を切りました。

【出生国別人口(単位:千人、%)

(Australian Bureau Statistics 3412.0 Australian State Datasets より作成 「トラベルドンキーより」)

 

政府も、中国の富裕層移民の受け入れには積極的です。

  • メルボルンのMLC校(年間学費2万ドルを超えるお嬢様学校)・・・学年の25%が中国系
  • PLC校・・・60%中国系(残りは30%インド系10%が白人)
  • Scoth College(年間学費が3万ドル以上の男子校)・・・25

 

オーストラリアの大学では、学生のおよそ20%が留学生です。

そのほとんどが、アジア諸国からの留学生で占められています。

 

【アジア諸国からの留学生ランキング】

  • 1位 中国
  • 2位 インド
  • 3位 韓国
  • 4位 ベトナム
  • 5位 タイ
  • 6位 マレーシア
  • 7位 インドネシア

 

オーストラリアに在住する日本国籍者数は、201810月時点で98,436人。

なのに、日本人街のような地区や通りは見あたらない・・・・・。

確かに、日本食レストランもあるのですが、オーストラリア国内での日本と中国の存在感に差があるのはなぜなのでしょうか。

 

オーストラリアに日本人街が存在しない理由

オーストラリアで暮らす中国人と日本人の数の差もありますが、大きな違いは渡豪してきた理由の違いにあります。

 

【在外公館管轄地域別在留邦人数(単位:人)

(2018年10月1日 在外公館調べ(在留邦人届出ベース「トラベルドンキーより」) 

 

2018年10月 在外公館調によると、シドニーには約3万500人の日本国籍保持者が居住しています。

それなのにチャイナ・タウンに匹敵するような一角を形成しているわけではないのです。

また、目立った居住地もない・・・・・。

 

日本人が集つまって暮らす地区といえば、シドニーの中心部から電車で20分ほど北上した高級住宅街の一角にあります。

でも、ここが「リトル・トウキヨー」などと称されたことはない・・・・・。

鉄道駅周辺は、ハングルや中国表記のほうが目立っているくらいです。

この地区で暮らしている日本人の大半は、日本企業で働く駐在員がほどんど。

つまり、一時滞在者であり生活の基盤は日本にある人たちなのです。

 

日本出身者の数は、現在オーストラリア全土で9万人を越え、この内の約4割が永住や長期滞在を目的としている人達になります。

日本人の場合、母国に帰る選択肢を残したまま移住している人がほとんどです。

退路を絶ってくる他国の移民と日本人との違いは、覚悟の差。

国籍放棄を覚悟でオーストラリア国籍を取る人が、ごく少数だというのがわかります。

「リトル・トウキヨー」と言われるような日本人街が、オーストラリアに存在しない理由がここにあるのです。

世界的に見ても日本人街が少ないのは、こういった理由があるからなのです。

 

明らかに日本人とは違う中国とオーストラリアの関係

オーストラリアからすれば、日本は長年お付き合いしている大事な「外のお得様」。

つまり、経済協力や長年の付き合いがあっても、文化や社会についての相互理解は十分ではないということです。

日本とオーストラリアは親近感を持ってはいても、「近くて遠い」関係で中国との関係とは質が異なるものと言えます。

オーストラリアにとつて、中国は貿易相手国として重要であるだけでなく、自国内にその親族が住んでいるという相手国でもあるのです。

実際に、どんな田舎町にでも中国系の人たち数家族が住んでいます。

近年、存在感を増したのが中国ではあるものの、両国の購買力はオーストラリアの経済を左右するだけに、アジアの日本と中国という相手が今や貿易先の最大級の顧客となっています。

 

オーストラリアでは、日本人も含めた非英語圏出身者は、英語が出来ないと「低賃金3K労働」の仕事でないと仕事に就くのが難しいのが現実です。

でも、シドニーには、仕事がたくさんあるのは事実です。(仕事を選り好みしなければの話ですが・・・・)

 

他のアジア系と違って、3K労働であろうと子孫のために歯を食いしばってオーストラリアに残る日本人は少ないということです。

そのため日系コミュニティは、入れ替わりが激しく定着率も低いからまとまらない、日本人コミュニティさえ大きくならないのに、日本人街を作ることなどできるワケがありません。

また経済レベルの高い欧米先進国出身者も日本人と同様に、チャイナタウンの様な街はつくりません。

良い悪いは別として、移住に失敗したら「帰れる母国」のある日本人は恵まれているといえるでしょう。

 

オーストラリアに増えすぎた中国人問題

オーストラリア統計局の2018年公表のデーターから推測すると、現在オーストラリアに住んでいる中国人は130万人超。

オーストラリアの総人口に対する中国人の割合は、5.2%になります。

つまり、オーストラリア国民の20人に1人が中国人。

 

  • 中国人観光客によるオーストラリアでの消費額・・・104億オーストラリアドル(2017年度)
  • 中国人留学生の学費や生活費がオーストラリアの銀行に入金される額・・・毎年92億米ドル

中国人留学生は、オーストラリアの大学の在籍者総数の10%を占めています。

 

 

中国マネーが重要になることは、中国人の影響力が高まることを意味します。

 

実際に、

投資目的でオーストラリアの不動産を買う中国人が増えたことで、住宅価格の高騰を引き起こしました。

中国企業がオーストラリアの島を買って、住民の立ち入りを禁じた。(ケズウィック島)

中国企業から献金を得ている政治家が中国寄りの発言をする。

など、様々な問題を引き起こすようになってきているようです。

 

最近では、中国に好感を持たないオーストラリア人の割合は81%に増え、中国人が差別的な扱いを受けることが増えてきています。

また、オーストラリア政府も中国人に対する警戒感が強くなってきているようです。

 

まとめ:オーストラリアは「世界一住みやすい街」トップ10内に4都市も入る国

イギリスのエコノミスト誌の調査「世界一住みやすい街」では、オーストラリアのメルボルンが7年連続1位を獲得しています。

ランキングの指標は「経済」「医療」「文化」「環境」「教育」「インフラ」の5項目。

トップ10内には、シドニー、アデレード、パースも高い評価で選ばれています。

シドニーは、香港に次ぐ住宅が手に入りにくい都市としても話題になりました。

中国人問題も含め移民を受け入れながら発展するオーストラリアは、今「世界一経済成長を続ける国」として注目を集めています。

現地に行く際には、現在に至るオーストラリアの歩みを知ったうえで、目で見えない部分のオーストラリアも肌で感じて来てください。

日本もこれから先、人口減少を迎えようとしています。

移民の受け入れで経済成長を続けるオーストラリアの実情を知ることで、後に続く日本の未来を考えるキッカケにもしてもらえれば幸いです。

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