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オーストラリアのアボリジニ文化を今でも体験できる!『ドリームタイム』は外せない世界観

 

エアーズロックの登山が2019年に禁止になりました。

実はエアーズロックは、この地域に住むアボリジニにとっての聖地。

「観光目的で登らないでほしい」とずっと懇願してきたことが、やっと叶う形になったからです。

 

アボリジニの文化は5万年以上前で、最初の人類と言われています。

さらにもっと驚くべきことは、この文化を今でも体験することができるということです。

 

今回はオーストラリアを知るうえで外せない

  • アボリジニのたどった激動の歴史
  • アボリジニの天地創造の神話『ドリームタイム』

 

アボリジニの独特な文化として代表される

  • ブッシュ・タッカー
  • ブーメラン
  • アボリジナル・アート
  • ディジュリドゥ

 

などを中心に「アボリジニ」について、詳しく紹介していきます。

 

 

アボリジニの激動の歴史

今のケアンズの街では、地元のアボリジニがエスペラナードでバーベキューを楽しんでいたり、ビーチで遊んでいたりするのを見かけるのは日常的な光景です。

でもアボリジニの歴史にはヨーロッパ人による虐待、虐殺を受けるなどの激動の時代がありました。

 

アボリジニの歴史は、17世紀の初めにオランダ人がオーストラリアを発見する5万年以上前から始まったとされています。

オーストラリアの先住民族はアボリジニの人たちと、トレス諸島の人たちがいます。

 

イギリス植民地時代のオーストラリアは流刑地の島だった

1770年にイギリス領になったオーストラリアは、流刑地の島として使用されるようになりました。

それ以降、ヨーロッパ人による迫害で居住地を追われたり、虐殺や持ち込まれた伝染病にかかったりでアボリジニの数は激減したのです。

 

さらには、オーストラリア社会に同化させるために、児童隔離政策が行われました。

家族から引き離された子どもたちは「盗まれた世代」(Stolen Generations)と呼ばれています。

先住民アボリジニの多くは土地を奪われ、必死の抵抗もむなしく他の地域へ追いやられて行きました。

その後も土地の所有権をめぐる論争や争いが繰り返され、それは今日に至るまで続いています。

 

その結果、オーストラリア発見当時の約100万人のアボリジニは半分以下に、250以上あった言語は25種類までになり、現在の先住民族はオーストラリアの総人口の3%になります。

 

アボリジニ人に市民権が与えられたのは・・・ほんの50年ほど前

実は、連邦議会選挙の投票権は、1962年まで先住民族には与えられていませんでした。

また、オーストラリア国民としての市民権も、1967年の国民投票による承認まで与えられていませんでした。

1972年、連邦政府はようやく先住民側の最初の土地所有権(先住権限)を認めました。

1788年から迫害され続けてきたアボリジニの人々に、やっと市民権が与えられたのはなんと1967年、たった50年ほど前なのです。

これまでにオーストラリア連邦議会議員になった先住民族のほとんどは、ここ10年間でたった10人だといいます。

 

アボリジニ政策のATSICはアボリジニによるアボリジニの政府

オーストラリア政府は1990年、国の先住民を代表するアボリジニ・トレス海峡諸島人コミッション(ATSIC)と呼ばれる特別な組織を作りました。

この組織は議会であると同時に、政府が法で定めた法定組織でもあるのです。

先住民のための権利・社会的・経済的補助や管理を、先住民自身に任せるという組織は世界でもこの国だけです。

 

オーストラリア新内閣で初のアボリジニの閣僚が誕生

先住民族の閣僚誕生までには、長い時間がかかりましたが、2019529日オーストラリア新内閣で、初の先住民族アボリジニの閣僚が誕生しました。

 

アボリジニのケン・ワイアット氏(66

ワイアット氏は2010年、アボリジニの男性として初めて下院議員に選出された人物です。

初めての議会演説には、アボリジニの指導者を象徴する伝統的な装いで登場。

ブーカと呼ばれる、アカオクロオウムの羽の装飾が施されたカンガルーの皮のコートという装いでした。

 

多くの部族や文化が失われたことが問題視されたことで、やっとアボリジニの文化保護が行われ始めたというワケです。

 

 

ではアボリジニの文化とは、どういうものなのでしょうか?

アボリジニ文化といえば、「ドリームタイム」・・・これを抜きには語れません。

 

ではここからは、「ドリームタイム」について紹介して行きたいと思います。

 

アボリジニの天地創造の神話『ドリームタイム』

アボリジ二は、住んでいる地域によって自然環境が違うため、部族により異なる言語・文化・生活習慣を持っています。

それぞれの部族の共通点は、文字文化を持たない狩猟民族だということ。

 

そして

「先祖の霊は自然の中で形を変えて生き続けると信じ、自然を崇拝する世界観」

それは、土地・精神性・伝承・文化・国の保護を、相互に結びつける非常に複雑な世界観です。

この中心になるのが「ドリームタイム」「ドリーミング」です。

 

『ドリームタイム』の世界観

アボリジニは、先祖代々『ドリームタイム』と呼ばれる天地創造の神話を伝承しています。

現地の言葉でtjukurpa(チュクルパ)または、alcheringa(アルチェリンガ)と言います。

 

エネルギーやスピリットを残す行為を「ドリーミング」

そのドリーミングが行われた時間を「ドリームタイム」と呼んでいます。

ここでいうドリームは「夢」ではなく、時間的な感覚を意味します。

 

ドリームタイムには重要な3つの時代があります。

  • 天地や生物が存在しない「始まりの時代」
  • 天地や生物が誕生した「創造の時代」
  • 歴史や生活の知恵を伝える「伝承の時代」

 

文字を持たなかったアボリジニは「創造の時代」の考えを、絵画や歌で先祖代々の歴史や生きる知恵を語り継いできました。

 

なかでも、神話や伝説は重要なものでした。

生きていくうえで欠かせない知恵や技術、 そして文化や歴史や習慣を次の世代に伝えていくための教えが、伝説として語り継がれてきたのです。

 

その世界観は、とてもスピリチュアル!

アボリジニは、「トーテム(民族に共通する先祖=魂)」との結びつきを大切にしています。

大地と深く結びつき、その恩恵を受けながら暮らし、自分たちも大地の一部

大地には精霊(せいれい)や祖先の魂が満ちている

 

そのドリーム・タイムを次世代に語り継ぐ手段として、独特な歌や踊りや壁画などがあります。

 

では、ここからは具体的にアボリジニの独特な文化を紹介していきましょう。

 

アボリジニの特徴的な文化

長い時間かけて完成されたアボリジニの文化はとても独特です。

そこには“自然との調和”を最も大事にする『自然崇拝』があります。

 

ここではそんなアボリジニの文化の中でも、特に特徴的な文化をご紹介します。

 

ブッシュ・タッカーBush Tucker

「ブッシュ・タッカー」はブッシュ・フードとも言われ、現在ではヘルシーフードとしても注目を浴びています。 

基本的に狩猟民族だったアボリジニは、農耕を行っていなかったので、自然界から調達した命の源となる栄養価の高い食材を食べていました。

今では「ブッシュ・タッカー」を美味しく食べることのできるレストランなどもあります。

 

ブーメランBoomerang

私たち誰もが知っている「ブーメラン」も、実はアボリジニが生み出した文化の1つ。

狩猟の際の武器や神聖な儀式に使われ、アボリジニの人々の暮らしになくてはならないアイテムです。

今ではオーストラリアを代表する民芸品になっているので、様々な場所でお土産として買うことができます。

 

アボリジナル・アートAboriginal Art

文字を持たないアボリジニの人は、代わりに壁画やボディペインティングなどの絵を描くことで、部族の歴史や知恵・神話などを伝承しています。

代表されるのが「アボリジナル・アート」と言われている絵。

創作神話を伝えるときに利用されることが多く、自然やオーストラリア固有の動物がたくさんモチーフになっているものが多いのが特徴です。

アボリジニの絵は、西洋芸術の影響を受けていない独自の芸術ともいえるでしょう。

 

地域によって描かれる技法が違うのですが、代表的なものに『ドット・ペインティング』があげられます。

繊細で美しい点描を用いた作風です。

 

今では、アボリジナル・アートを利用したフェイスペインティングを体験できるツアーもあるようです。

ほかにも『X-Rayペインティング』といったものもあります。

アボリジニ・アートは最近ではアートとしての注目が高まっていて、小物入れや手編みの篭、マットなどは質の高いクラフトとして人気があります。

これらは、今では美術館などで簡単に購入することができるので、雑貨やアート品はお土産として観光客に人気があります。

 

また、アボリジニの壁画もドリーム・タイムを後世に伝えるために重要な伝達手段でした。

カカドゥにあるアボリジニの壁画は、

  • ノーランジー・ロック
  • ウビル・ロック
  • エアーズ・ロック

これらの壁画は、現在一般に公開されるようになり誰でも見ることができます。

 

アボリジナルダンス&ディジュリドゥ(Didgeridoo

伝統的な儀式に欠かせない「アボリジナルダンス」は、神話やカンガルー狩りの様子など生活の知恵を伝えるために踊ります。

 

「ディジュリドゥ」は世界最古の管楽器と言われ、シロアリが食べて中が空洞となったユーカリの木で作られる楽器です。

儀式や祭事の際に男性だけが奏でられる楽器とされていて、部族によっては女性が触れることも禁じられています。

地の底に響く重低音の幻想的な音色が特徴で、動物の鳴き声などを表現しています。

ディジュリドゥの音にはヒーリング効果もあり、儀式だけでなく病気の治療にも用いられてきたそうです。

 

現在でもディジュリドゥはヒーリングミュージックに使用されているほか、健康との関連性について研究が進められています。

 

また、現在ではディジュリドゥを使ったアボリジニの伝統音楽とロックが融合した音楽なども、多くの人に親しまれています。

“循環呼吸法”という特殊な呼吸法で奏でられる音だそうで、日本人にもディジュリドゥの名手がいます。

 

アボリジニ文化の体験なら「ジャプカイ・アボリジナル・文化パーク」

アボリジニ文化をより深く知りたい!体験してみたい・・・という人におすすめなのが、

“ジャプカイ・アボリジナル・文化パーク”

 

今でも使われている「ジャプカイ語」が残っていて、伝統や文化の多くが語り継がれているので、貴重なアボリジニの伝統文化を詳しく知ることができます。

スタッフは8割がアボリジニであるうえに多くのプログラムがあるので、自分の知りたいものに合わせた楽しみ方ができるのが魅力の1つです。

 

中でも特におすすめの、プログラムを4つご紹介します。

フェイスペインティング

アボリジニの伝統的な方法で施されるフェイスペインティングは、独特芸術性があってとても魅力的。

夜の部では、歓迎の印としてフェイスペインティングをすることができます。

 

レイクサイドファイヤーセレモニー

ジャプカイ族は自然を崇拝しているなかで、特に神聖化されていたのが火でした。

夜の部の目玉の1つであるのが、その火を起こす儀式ファイヤーセレモニーです。

 

カルチュアル・クリエーション 

昼の部でアボリジニの伝統工芸を体験できるのが、カルチュアル・クリエーションです。

カルチュアル・クリエーションでは、ブーメラン・ペインティングやアクセサリー作りを体験できます。

世界でたった1つだけのアボリジニ工芸品が作れて、ケアンズ旅行のお土産にも喜ばれる一品です。

 

ボリジニダンスショー 

この施設で1番のおすすめが、アボリジニダンスショー!

ジャプカイ族の暮らしを表現したダンスで、カンガルー狩りなども表現されていてアボリジニについて学ぶことができます。

観客が参加できるダンスや、ショーの後半にはディナーを楽しみながら鑑賞できるのも嬉しいポイントです。

ショーが終わった後には、アボリジニのダンサーと写真撮影もできます。

 

ケアンズ市内から車で約15分なので、ケアンズに訪れた際は貴重な文化体験をぜひ体感してみてください。

 

オーストラリア各地でアボリジニ文化は楽しめる

アボリジニ文化は、オーストラリア各地で体験することができます。

彼らが創り出す素晴らしい現代アートは世界中の注目を集めていますが、それ以外にも見るべきものや学ぶべきものがたくさんあります。

「先住民アボリジニの世界を体感」する際には、先住民アボリジニによるガイドがあることを知っておいてください。

オーストラリアを知るには、何世代にもわたって広大な土地を管理してきた彼らほど最適なガイドはいません。

先住民アボリジニのガイドは、あなたがオーストラリアの場所や文化と繋がるための、他に類をみない独特の手段を持っています。

きっと、新たなオーストラリアの魅力に気付かせてくれるはずです。

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