ピックアップ記事 & 世界のニュース
気候変動の世界への影響と海外で水没・消滅する危機があるリゾート地や観光地の現状

今の気候が続いて極地の氷床が溶け続けると、どうなると思いますか? 

そうです・・・海面が上昇します。 

日本では1m海面が上昇すると、日本全国の砂浜の9割以上が失われると予測されています。 

地球規模で言えば、現在の 世界の入り江の多くは洗い流されたり、水没する可能性が高いと言われています。 

 

2020年4月のCOVID-19により、二酸化炭素排出量は17%減少しました。 

でも、政策変更などで持続する保証はどこにもありません。 

というより、厳しい即時削減を行ったとしても、海面を50cmに制限するだけなんだとか。 

また、長引く干ばつや嵐は広範囲にわたる洪水や山火事を引き起こし、自然や生態系の破壊に繋がる可能性があるという意見もあるくらいなのです。 

 つまり、近年のオーストラリアの山火事のように世界の観光スポットの環境を保護することは難しいということになります。 

 

そこで今回は、気候変動の危険にさらされている主要な場所を紹介したいと思います。 

 

海面が上がる原因は氷河が溶けることだけが原因ではない! 

一般的に海面上昇は、氷山や氷河が溶けることが原因と思われがちですが、実は山岳地域の氷河の融解も関係しているのです。 

2019年4月8日、学術誌「Nature」に掲載された研究が発表によると南極とグリーンランドを除く山岳氷河の融解によって海面が27㎜上昇したといいます。 

NASAの観測では、1993年以降地球の海面は年に3㎜ずつ上昇しており、その3分の1ほどが山岳氷河の融解水によるものという結果が出ています。 

山岳氷河は南極の氷床からの融解水よりも多く、研究ではさらに世界の山岳氷河の多くが100年以内に消滅するかもしれないとも言われています。 

 

でも実際には、海水温度の上昇による膨張が1番大きな原因となります

海水温度の上昇は多くの海の生物を殺し、海面上昇で水没や消滅する可能性が高い場所も多くあるのが事実です。 

 

ここからは、世界で消滅するかもしれない場所や、水没する可能性の高い場所を紹介していきます。 

 

世界の人々を魅了するリゾート地「モルディブ」や周辺国の危機 

モルディブと周辺の4か国はリゾートしても有名ですが、 特にモルディブの人気が高く世界中から多くの観光客が訪れています。 

実は、これらのリゾート地は海面上昇が直接影響していて、この先海面が上昇すると無くなってしまう恐れがあるのです。 

  

将来的には、この地域一帯を訪れることが出来なくなるかも・・・。 

 

研究結果では、モルディブは2030年から21世紀の終わりにかけて徐々に消滅する可能性があると言われています。 
 

モルディブは、インド洋に浮かぶ1200以上もの平坦な島々から成る美しい国。 

そのうち人が住んでいるのは約200島で、リゾートになっている島は約90島。 

モルディブは26の環礁から成る島で、国土の約80%海抜1m以下と非常に低くく、最高地点でも海抜が約2.5m。 

「環 礁」とは
環礁は、サンゴ礁だけがリング状に繋がって、その内側に深さ数10mの浅い海を取り囲む地形を示す 。 
モルジブは、国土のほとんどが環礁だけからなる国です。
つまり、モルジブは環礁のかけらが積もり積もってできた島だということ。 

モルディブは、現在の気候変動の状況がそのまま継続すると、海面が上昇して深刻な影響を受けます。 

また、暴風雨の度に高潮に見舞われると島の浸食だけでなく、地下水と海水が混濁して生活用水の入手が困難になるなど、住民の生活が深刻な危機に陥ります。 

島の人々は災害を避けるために、移住を余儀なくされているのが現状です。 

 

地球の楽園といわれるオセアニア「ツバル」も沈む? 

オセアニアの「ツバル」は、数多くの環礁に沿って広がる白い砂浜が有名な「地球上の楽園」。 

モルディブ同様に気候変動によって深刻な被害を受け、海面上昇による浸食に苦しむ多くの若者がこの地を去っています。 

 ツバルの最高地点は、わずか海抜5m。 

1993年以降、ツバル周辺の海面が年に5 mm 増加しており、世界平均を上回っています。

 
 かつて「沈みゆく国」とも言われていたツバルは、実は、過去40年で国土面積が2.9%広くなっていたことが最近の調査により判明しました。 

ツバルは環礁からなる島国のため、サンゴが生きて面積が拡大すれば国土面積も広がる可能性もあるわけです。   

ところが、地球温暖化によって海水温度が上昇し、サンゴの生命が脅かされると、逆に国土水没の危機に瀕することになるのです。 

 

最も危ないのは中央太平洋の島「キリバス」 

キリバスは、中央太平洋に位置する熱帯気候の島国。

 最高地点が海抜2 m以下の 最も気候変動に対して弱い国です。 

そのため、気候変動が原因で7人に1人が移住していくという統計があるほどです。

 

海岸沿いに住む人が姿を消している南太平洋ナウル島」

ナウル島は南太平洋に位置し、人口が約10,000人程の南太平洋で最も小さい国 。 

面積が約21km²で、年間の訪問者は約160人。 

ナウルは大部分の土地が侵食されて居住には適さなくなり、日ごとに人が姿を消している現状です。

 

観光客で賑わう太平洋西部 「パラオ」も危機

パラオは太平洋西部に位置し、300を超える島で構成されている国。

多様な生態系を所有し、サンゴ島・石灰岩・クラゲ湖があるため、21,000人を超える観光客が訪れます。

 観光はこの国の主な収入源なのですが、地球温暖化のためにサンゴ礁の破壊が進み、観光資源が無くなってきている現状です。

 

ガラパゴスの生物を襲うエルニーニョの脅威

ガラパゴス諸島は、南アメリカ大陸のエクアドルに属する諸島。

100を超える島と岩礁から成り立ち、赤道付近に位置しています。 

幅広い種類の動植物が生息しているカラバコス諸島は、ユネスコの世界遺産にも指定されています。 

一度も大陸と繋がったことないため、海洋島独自の生態系が形成されているのが特徴。  

今その生態系が、エルニーニョに伴う強風や豪雨や海水温の上昇に脅かされています。 

 

エルニーニョとは、3~5年に1度赤道方面から暖かい海水が流れ込み、海面水温が平年より高い状態が1年程続く現象を言います。 

それが温暖化によって、ガラパゴスを直撃するエルニーニョの頻度や強度が上昇する可能性があると言われているのです。 

 

エルニーニョ現象の豆知識

「エルニーニョ」になると海面水温が上がり、海水が蒸発するので雨が多くなります。

そうなると、寒流が運ぶプランクトンが減るのでイワシなどの魚が沿岸部から減ることになります。 

その結果、海で魚や海藻を食べる「ウミイグアナ」「アシカ」「ペンギン」は、餌に困り生存数が減ります。 

一方、陸では植物の成長が盛んになり、木の実を食べる動物が大繁殖することになります。

逆に「ラニーニャ」が起こると海面水温が下がり、海にはプランクトンが増えて魚が増えることになります。

そうなると、「アシカ」や「ペンギン」など海で暮らす動物が大繁殖します。

一方、雨が減るので陸で暮らす動物は、大打撃を受けることになります。

 

ちなみに日本では「エルニーニョ現象」が起きると冷夏で暖冬になり、「ラニーニャ現象」が起きると猛暑で寒冬になります。 

 

ガラパゴスは長い歴史の中で、こういった気候が繰り返されて生物の進化に繋がり「ガラパゴス諸島は生物の宝庫」と言われるようになったのです。

 

分かりやすくまとめると、

  • エルニーニョ現象・・・エクアドルとペルー沖の海面水温が異常に上昇すること 
  • ラニーニャ現象 ・・・エルニーニョ現象の逆で海面水温が異常に低下すること 

「エルニーニョ」か「ラニーニャ」かは、ガラパゴスで水温を計るとわかるということです。 

つまり、ガラパゴスが「世界の気象現象の最前線」というワケです。 

 

気候変動は、生態系に大きな影響を与えると予想されています。

このガラパゴスに衝撃を与える被害は、エルニーニョ現象」が原因だといわれています。

実際に1980年代以降、エルニーニョ現象でガラパゴスペンギン 75%と海洋イグアナ 90%減少しました。

UNEP(国連環境計画)によると、気候変動に伴い深刻なエルニーニョ数は、今後2世紀で倍増する可能性が高いと予想されています 。 

 

 海水温上昇 の脅威にさらされるグレートバリアリーフ 

青い珊瑚礁が印象的なオーストラリアの グレートバリアリーフには、世界中から多くの観光客が訪れています。 

ユネスコの世界遺産の中で、最も多様な生物の生息地地球最大のサンゴ礁。 

1981年に世界遺産に登録されました。 

研究によると、グレートバリアリーフには400種以上のサンゴからなる、3863のサンゴ礁があるとか。 

少なくとも1500種の魚、4000種の軟体動物、240種の鳥、その他何千種もの海洋生物を育んでいるようです。 

サンゴ礁は棲み付いた様々な生物たちに、太陽エネルギー・海中の栄養素・ププランクトンから、エネルギーを得る手助けをする役目を担っています。 

 

そのグレートバリアリーフが今 、深刻な死滅の危機にあるというのです。 

つまりサンゴ礁の死滅は、魚や魚を食料や収入源としている多くの人々に、致命的な影響を及ぼすということを意味しています。 

 

 サンゴに被害を与えている最大の原因は、地球温暖化 による気候変動を引き起こすCO2の排出。 

 

  • 2016年:猛烈な熱波による激しい白化現象によって、グレートバリアリーフの3分の1が死滅 
  • 2017年:白化現象では、わずか2年でグレートバリアリーフの半分が死滅
     

専門家は、気候変動の問題に取り組まない限り、グレートバリアリーフや世界中のほとんどのサンゴ礁は、数十年の間にほぼ完全に死滅するだろうと言います。 

 ※グレートバリアリーフ海洋公園局は、5年ごとに地球上で最大のサンゴ礁システムである「グレートバリアリーフ」の状態について調査報告をしています。( 2019年に発表された最新の調査報告 )

 

国連環境当局(UNEP)によると、世界のサンゴ礁の半分以上が劣化の危険にさらされていることが分かっています。  

50%を保護するためには、温度は1.2ºCを超えてはいけません。 

地球温暖化を1.5°C以下に制限することで、世界のサンゴの10%以上を保護できます。

 

グリーンランドの氷が半分以上溶け始めている

デンマークのグリーンランドにあ るイルリサット・アイスフィヨルドは、一万年以上前の氷河に作られた氷が今もなお残る世界遺産。

 このフィヨルドの氷は1日20m程の速さで移動しており、毎年放出される氷は35立方キロともいわれ南極以外では最大規模。  

近年の温暖化の影響で年間で溶ける氷の量が増え、数億トン単位の氷が解けて大西洋へ流れ込んでいます。  

特にここ数年の熱波により、グリーンランドの氷床の半分以上が溶け、すでに海面の上昇が起きていると言います。 

 

氷床は白い氷が太陽の光を宇宙に反射させるので、地球を冷却するために不可欠であるだけでなく、毎年失っている氷の413ギガトンは海面上昇に直接影響しています。 

 

21世紀は1日に2度水没するようになる「ベネチア」

イタリアの観光地として有名なベネチアは、水の都とも言われ世界遺産にも登録されています。 

ベネチアは、ベネチア湾にある水深の浅い場所に作られた都市で、カナル・グランデと言われるS字形の大運河が街を二つに分けるように存在しています。 

 
美しい街並みと流れる運河で魅力的な街に、様々な観光スポットがあります。

元々ベネチアは海抜が低く、海面上昇の影響を直接受ける環境です。

ベネチアでは「アックア・アルタ」と言われる高潮 が時折起こるのですが、 この時は水位が上がり街が膝の高さまで浸水するため、まともに歩けない状態になります。

 高潮現象はベネチアの日常でもあるのですが、下記を見ても分かるように水没や浸水の水位が年々上昇しています。

  • 2009年・・・嵐と高潮が原因でイタリアの古都ベネチアの約75%が水没 
  • 2018年1・・・水位が観測史上4番目に高い1.5mを記録しサン・マルコ広場が閉鎖される
  • 2019年・・・観測史上2番目に高い2m近い高潮により大部分が水没し深刻な被害を受ける 

 

これも、地球温暖化による海面の上昇が原因の一つです。

専門家によると、地中海沿岸は21世紀末までに約1.5m近く海面が上昇するとの推測もあり、これが現実のものになればベネチアは日に2度水没することになります。 

実際に年4回、ベネチアは深刻な水害に見舞われていて、自然だけでなく歴史的文化も失ってしまう状況になっているのです。

 

 

海抜0mの低地で洪水と共に暮らすオランダ

オランダは海抜0mの低地に位置する国で、国土の約26%海水面より低いところにあります。 

  その海抜0mの土地には、人口の約21%の人々が生活しています。 

  オランダは、その地形から過去に何度も洪水の被害に見舞われてきました。

その対策として、風車やダム・防波堤などを建設して国を守ってきました。 

それでもこのまま海水面が上昇し続ければ、今の設備では被害を免れないと新たな対策の導入が進められています。 

 

21世紀中に沈むかもしれないバングラデシュ 

バンクラデシュはオランダ同じ海抜0mの国土に、200本以上の川を有しています。 

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では 、

バンクラデシュは2050年までに、地球温暖化による海面上昇で陸地の17%を失い、環境難民が2000万人発生して食糧生産高が30%程度減少すると予測されています。 

 また、NASA宇宙研究所によると、バングラデシュは今世紀末までに海底に沈むとの厳しい予想をたてているようです。 

 

国土の12%を失ってしまうベトナム 

地球温暖化による水位上昇で、バングラデシュの低地帯と同様、ベトナムも多大な被害を受けると言われてきています。

ベトナムは国土が細長く広範にわたり沿岸地帯を有し、経済成長を背景に温室効果ガスの排出が急激に増加している国でもあります。

ベトナムは海面の水位が1m上昇すると、国土の12%・全人口の23%を失うことになると予測されています。

実際この半世紀、ベトナムの年平均気温は0.5度上がったほか、干ばつや洪水などが多発して大きな人的物的被害をもたらしているのが実情です。

 

21世紀には最低でも20cm海面が上昇していると予想される

気象庁によると海面が20㎝上昇すれば、世界で毎年高潮の被害を受ける人の数が1800万人増加すると予測されています。 

  では、

🔶海面が50cm上昇するとどうなる?

エジプト北部のアレクサンドリアにある砂浜のほとんどが失われます。 

予想では2100年には最大50cm海面が上昇しているとされています。 

 

🔶 海面が1m上昇するとどうなる?

日本では1m海面が上昇すると、日本全国の砂浜の9割以上が失われると予測されています。 

 大阪・・・北西部から堺市にかけての海岸線はほぼ水没 

 東京・・・江東区・墨田区・江戸川区・葛飾区のほぼ全域が影響を受ける 

 また、沖ノ鳥島などの島々が海面上昇により水没すれば、これまでのように豊かな海の恩恵を受けることが難しくなります。 

 

地球上の全ての氷が溶けたら海面が66m上昇する

地球上には、2019年度時点で約2084万km³以上の氷があると言われています。

もし、この氷が全て溶けると、66mも海面が上昇するという予測が出ています。 

 氷が全て溶けるには5000年以上かかるのですが、二酸化炭素の排出量を抑えなければ近い将来一部の都市がなくなる可能性があります。

 

予測されていることをまとめてみました。

  • 北米・・・ニューヨーク・ボストン・マイアミなどの大都市が海に沈む
  • ヨーロッパ・・・ロンドン・ベネチア・オランダなどの低地にある国・都市が海に沈む
  • アジア・・・バングラディシュ全土・コルカタが海に沈む
  • カンボジア・・・メコンデルタが水であふれカルダモン山脈が島になる
  • 上海・・・東シナ海に沈む
  •  オーストラリア・・・約80%の市民が生活する沿岸地域の多くを失う
  •  南米・・・アマゾン川やパラグアイ川流域が消えブエノスアイレスやパラグアイの大部分が崩壊
  •  アフリカ・・・海面上昇によって消失する土地は少ないが熱波により大部分の地域で生活できない

  

海面上昇による各地域はSea Level Riseで確認できます。 

 

まとめ:海面上昇の主な原因は温暖化!一人ひとりが意識したい環境保護

地球温暖化による世界の海面上昇は、少なくとも18~59cm上昇すると予測 されています。

 温暖化は海面上昇だけでなく、私たちが地球で生きていくうえで様々なことに影響を及ぼします。

私たち人間が豊かな生活を続けるには、自然と共存しなくてはなりません。

今後も私たちの生活を維持するために、SDGsのような国際的な目標も掲げられています。

 一人ひとりが環境を意識することが、豊かな自然を保護することに繋がります 

 

今、世界では多くの自然が失われています。

旅行できる日が来れば、失われるかもしれない場所を訪れて、今の世界をぜひ記憶に残しておいてください。