
近代化の進むマレーシアは、首都「クアラルンプール」に始まり高層ビルなど多くの建物が建設されています。
建物には階数がありますが、マレーシアでは階数の数え方が日本とは若干違います。
マレーシアの建物の階数の数え方は「イギリス式」。
でも実際に街中では、様々な表記の仕方を目にします。
慣れないうちは戸惑う人もいて、現地の人も困るほど。
疑問を持つ人が少なくないようですので、今回はマレーシアの建物の階数の数え方を取り上げてみました。
Contents
マレーシアの建物で階数の数え方は基本イギリス式
マレーシアでは階数の数え方が日本と若干違います。
日本はアメリカ式ですが、マレーシアはイギリスの植民地であった歴史から、基本的にはイギリス式の階数表示です。
- 日本の地下B1⇨ マレーシアは LG(Lower Floor)
- 日本の1階⇨マレーシアはG階(Ground Floor)
- 日本の2階⇨マレーシアは1階
- 日本の3階⇨マレーシアは2階
マレー人は階数表示を2つ使い分ける
政府庁舎などのビルでは、マレー語での表記があります。
実はマレー人は、階数表示を2つ使います。
それが「Aras」と「Tingkat」
「Tingkat」という単語はあまり使われないのですが、イギリス式の答え方になります。
政府庁舎の受付などで「●●局は Aras 2にあります」という言われた場合は、日本と同じで2階になります 。
一方「●●局はTingkat2にあります」と言われた場合は、3階になります。
(「Tingkat」は「Aras」より少し砕けた感じの言い方)
【クアラルンプール市庁舎】
街中にある複数の建物は階数表示が統一されていない
マレーシアでエレベーターに乗ると、「4th Floor」がなく「3A Floor」になっていることがよくあります。
かと思えば「4th Floor」が表示されていたりと実に様々です。
マレーシアの階数の数え方を、以下にまとめてみましたので参考にしてください。
🔶華人系ビルでは4を避けて表示されているケース
中国語で4は「死」と同じ発音なので、華人系ビルでは4を避けて表記します。
「14th Floor」も同じ理由で「13AF Floor」になります。
- 44は「3A3A」にならない?
- 「34」⇨「33A」になっている
- 「40」⇨「3A0」になっているケースもあれば「40」はそのまま「40」
「44」は「3A3A」ではなく「44」は「43A」と表記するようです。
- 「A」だけではなく「B」も使われる
- 「13」⇨「12A」 ・「14」⇨「12B」と表記することもある
(欧米で忌避されている「13」避けるため?
- 13のみを避ける文化圏での表示
- 「13」⇨「12A」または「12B」
- 「12」の次を「14A」として「14」を「14B」とすることもある
これらは調べてもはっきりとした理由はわかりません。
Wikipediaでは、「3A」にする表記について中華系マレーシア人・中華系シンガポール人の迷信と解説しています。
🔶マレー系がオーナーのビルは「4th Floor」と表示されているケース
🔶勝手に階数を付けてしまうケース
クアルランプール市内の商業施設「パブリカ・ギャラリーモール」
パブリカは Ground Floorが「G1・UG・G2・G3」の4いに分かれています。
さらにその上の階はUpper階になって1~6が付けられ、入居店舗側も勝手に階数を決めて住所に書き込んでいるので、訪問者を混乱させていり状況です。
【パブリカ・ギャラリーモール】
「パブリカ・ギャラリーモール」は、クアラルンプールのショッピングモールのなかでも、パブリカは高級・オシャレ路線に特化している商業施設です。
日本人に人気のスーパーマーケット「B.I.G」.・日本食が充実したレストラン・日系の美容室も多く、日本人にはとても親しみやすい施設です。
モールの上層部にはコンドミニアムもあり、多くの日本人が住んでいます。
🔶エレベーターに後から変更された階数が張られているケース
ダマンサラ地区には、G階とB1階の間にC階があります。
さらに2A階があって4階がないビルがあるというように、街中のビルは階数が統一されていないので地元の人たちでさえも混乱しています。
🔶日本語表示がされている珍しいケース
マレーシア国立銀行博物館&アートギャラリーは、マレーシアの首都「クアラルンプール」にある博物館 。
【マレーシア国立銀行博物館&アートギャラリー】
周辺にはマレーシア国立銀行本店のほか、KKR2 Towerやそごう・クアラルンプール店などがあります。
ギャラリーは4階建てで、階数の数え方は日本式になっています。
その他の日本式表示といえば、日本の建築家:黒川紀章さんが設計した クアラルンプール国際空港(KLIA)があります。
【クアラルンプール国際空港(KLIA)】
Malaysia Airport公式HPより
日本人が住むコンドミニアムでも様々な表示がされている
- 4階を3Aと表記
- 地上階⇨Ground floorではなく日本同様1階
- 地上階が⇨E”(エントランス)
- 駐車場階⇨P1~P8
- マネージメントオフィスやジムがある階⇨“C”(センター)
- プールがある階⇨“P”
このように建物によって階数表示が違うというのも、マレーシアらしいと言えるのかもしれません。
各理由は探しても見つかりませんでしたが、階数表示 に関しては同じような疑問を持つ人は少なくないようです。
マレーシアは多民族国家なのでオーナーによって違いがあるのでは?
マレーシア最大級の掲示板でも、時々話題になっているのも確かです。
番外編;世界のエレベーター表記
世界で使われているエレベーターの階数表記には、日本では使われていない様々な表記があります。
参考までに、エレベーターの「アルファベット」の階数表記の意味を調べてみました。
海外旅行をする人は、知っておくと便利な知識です。
【エレベーター階数表記 の アルファベットと意味】
エレベーターの表記 |
英単語 |
日本語の意味 |
F |
Floor |
階 (1F=1階、2F=2階) |
B |
Basement |
地下・地下室・地階 |
R |
Roof |
屋上 |
M |
Middle |
中間 (M2=中2階) |
P |
Penthouse |
ペントハウス・塔屋 (屋上) |
L |
Lobby |
ロビー・広間 |
G |
Grandfloor |
地上階 (1階) |
RC |
Rez-de-chaussee |
地上階 (1階) |
E |
Earthfloor |
土間 (1階) |
これから、海外旅行をする方は、ちょっと頭に入れておくと便利な知識です。