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シンガポールには 富裕層がなぜ集まる?その理由や生活事情を解説

シンガポールの魅力は、旅行はもちろんビジネス目的 の移住だけではなく、生活拠点としても優れた機能を持ち合わせています。 

シンガポールは、富裕層の割合が世界の中でも高い国として有名ですが、 

なぜお金持ちはシンガポールに集まるのでしょうか? 

近年、20~30代の若手富裕層も増えてきているようで、富裕層は今後も より増加する可能性があります。 

 

そこで今回は富裕層が集まる理由や、シンガポールの富裕層 の生活事情にスポットを当ててみることにします。 

 

シンガポール は超富裕層の割合が世界2位 

シンガポールは面積が東京の3分の1しかない」狭い国土に、多くの企業やお金持ちが集まっています。 

資源にも恵まれていない国ですが、交通の要衝という立地を活かす事業や、海外企業を積極的に誘致した国策で、世界的に見ても大きな影響力を持つ国際金融センターとして発展してきました。

 

2015年度 のボストン・コンサルティングの調査結果 

シンガポールは、金融資産100万US$を超える富裕層世帯の割合が10.7%。

2015年度 のボストン・コンサルティングの調査結果では、

富裕層 の中でも金融資産が1億ドルを超える超富裕層( UHNWI )の割合は、10万世帯当たり14.3世帯で世界2位です

 

【金融資産が1億ドル(約10億円)を超える「超富裕層」の割合が多い国TOP3】

  • 1位:香港(10万世帯当たり15.3世帯)
  • 2位:シンガポール(同14.3世帯)
  • 3位:オーストラリア(同12.0世帯)

 

実は「富裕層」は、4つの層に分かれます。 

  • 消費・貯蓄・投資に十分な資産を持つ新興富裕層 
  • 総資産が最大1億円程の富裕層 
  • 総資産が1億円以上の富裕層 
  • 金融資産50億円以上の超富裕層UHNWI) 

 

しかもシンガポール国内の富裕層の人口比率は上がっていて、 2019年に新たに誕生したUHNWIが3万人を越えたという結果があります。 

 (シンガポールの不動産「Knight Frank Singaporeの調査」より)

コロナウイルス で渡航規制がある現在でさえ国外からの富裕層の流入が増えている現状からコロナが落ち着つけばより増加するという予測がされています。 

 

では、なぜ?シンガポールに富裕層が集まるのか、その理由を見てみることにしましょう。 

 

シンガポールに富裕層 が集まる理由 

 一番大きな理由となっているのが、税制です。 

 

  • 10%を下回る法人税 
  • 最大22%の低い個人所得税(住民税はなし) 
  • 多彩な非課税項目 (国外源泉所得税、相続・贈与税、キャピタルゲイン税など) 

シンガポールの税制は、世界的に見ても大きな魅力があります。 

 

シンガポールと日本の個人税の違い

個人税制 

シンガポール 

日本 

個人所得税 

最大22% 

最大45% 

国外源泉所得 

非課税 

課税対象 

住民税 

非課税 

10%+5000円 

相続税 

非課税 

最大50% 

贈与税 

非課税 

最大50% 

キャピタルゲイン税 

非課税 

原則20% 

インカムゲイン税 

非課税

20% 

※シンガポールでは日本同様に、「基礎控除」「配偶者控除」など様々な人的控除が認められています。 

 

▶シンガポールの税金について詳しくはこちらの記事 

 

また、世界各国の大手金融機関が軒を連ねています。 

  • プライベートバンク 
  • 投資ファンド 
  • 債券 
  • 仕組み預金 

など、世界最高水準の豊富な投資商品や質の高いサービスが提供されています。 

富裕層の中にはプライベートバンクや、ヘッジファンドを使って資産運用をしていている人もいます。 

富裕層向けのプライベートバンクもシンガポールには20以上ありてるものがより豊かになる仕組みが整っている国なのです。 

 

シンガポールは 際的な評価も世界トップクラス 

今では世界的に見ても大きな影響力を持つ国際金融センターとしてのシンガポールですが、ビジネス拠点としてだけではなく生活拠点としても充実した多くの機能を持ち合わせています。 

 

シンガポールの魅力】 

  • 優遇された税制 
  • 整備されたインフラ・法制度 
  • 最先端の金融サービスを提供(アジアの国際金融センター) 
  • 政治に対する国民の信頼が厚く安定している 
  • 娯楽施設も充実した生活環境 
  • 知識や意欲の高い労働力が多い 
  • 高水準の教育 
  • 衛生的で治安が良い 

 

近年、シンガポールに新たなビジネスや投資のチャンスを求めて、20~30代の若手富裕層も集まってきている状態です。  

しかもシンガポールに富裕層マネーが集まることで、金融サービスが一段と向上するという好循環が生まれています。 

チャイナマネーの受け皿としての機能や、中東のオイルマネーの流入拠点としても政府が金融の整備を積極的に推進しているため、今後もシンガポールには富裕層マネーが集まると予想されています。 

 

 

シンガポール 富裕層の移住者には永住権をが与えられる 

シンガポールは、富裕層に対する優遇を行ってきた国でもあります。 

その一つが、永住権。 

一定の資産を持つ人に対して積極的に永住権を与えています。 

 

 

シンガポール 富裕層 ランキング 

大富豪や資産家からは「Tax Haven」とも呼ばれているだけに、シンガポールには有名な大富豪達がたくさん住んでいます。 

 

フォーブスの『シンガポール長者番付トップ10』 

1位: Robert & Philip Ng(ロバートとフィリップの黄 志祥、黄 志達)/119億ドル
2位:Eduardo Saverin(フェイスブックの共同創業者のエドゥアルド・サベリン)/118億ドル
3位: Goh Cheng Liang(呉 清亮)/85億ドル
4位:Kwek Leng Beng(郭 令明)/76億ドル
5位: Khoo family(邱一族)/67億ドル
6位:Wee Cho Yaw(黄 祖耀)/64億ドル
7位:Kwee brothers(クウィー兄弟)/54億ドル
8位:Richard Chandler(リチャード・チャンドラー)/31.5億ドル
9位:Raj Kumar & Kishin RK(ラジ・クマール、キシン・RK)/27億ドル
10位:Choo Chong Ngen(朱 章元)/26億ドル

家族名義の資産も含まれた一族としての総資産ランキング

 

シンガポール の日本人富裕層  

外務省の海外在留邦人数調査統計(2017年10月1日現在の集計) 

日本の領土外に在留する邦人(日本人)の総数・・・135万1970人 

その内、シンガポールには約2.7%(3万6423人) 

小さな国の割には、日本人の割合が高くなっています。 

 

日本人富裕層の純金融資産保有額別の割合2017年:野村総合研究所の調べ) 

  • 5億円以上の「超富裕層」・・・8.4万世帯 
  • 1億円以上5億円未満の「富裕層」・・・118.3万世帯 
  • 5000万円以上1億円未満の「準富裕層」・・・322.2万世帯 

(純金融資産保有額は、預貯金・株式・債券・投資信託・一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いたもの。) 

 

日本は「相続が3代続くと財産はなくなる」と言うほど相続税率は高い国です。

日本の相続税法には「10年ルール」があって、相続開始以前10年以上を相続人(被相続人)ともに海外に居住していた場合、海外資産は相続税の対象外になるため家族全員でシンガポールに移住する日本の富裕層もいるほどです。

 

日本人富裕層はビジネスや投資などでの成功者が多い

外務省の海外在留邦人数調査統計(2017年10月1日現在の集計) 

日本の領土外に在留する邦人(日本人)の総数は、135万1970人。 

その内、シンガポールには約2.7%(3万6423人) 

シンガポールは人口が少ない小さな国の割に、日本人の割合が高くなっています。 

 

日本では、海外に逃げる財産に対しての課税強化が続いています。 

以前に比べると海外にお金を逃がすことが難しくなったとはいえ、海外に住む日本人の数は増え続けていきます 。

最近の傾向としては、仮想通貨長者となった人たちがシンガポールに来るケースも増えていて、20代30代など若くして億万長者になった人も多くいます。 

 

シンガポール 富裕層 の職業や住んでるエリアは? 

会社経営者か金融機関に務めるハイクラスビジネスマンが多く、年収は数千万円は当たり前で数億円クラスの人も珍しくありません。

長者番付に名を連ねる大富豪の多くは、不動産・投資家・石油取引・銀行業などが多いようです。

 

土地の狭いシンガポールは土地が最も貴重な資源

土地付き住宅を所有することは、シンガポールでは「富裕層にとって究極のステータス」  

土地付き住宅の中でも、特別な住宅は「グッド・クラス・バンガロー(Good Class Bungalows:GCB)」と言われ、シンガポールに約2700戸しかありません。 

一般的に居住スペースだけで約1400平方メートルあり、約3~70億円ほどで取引されています。( GCBは1平方フィートあたり最低約1190ドル) 

もちろん、購入できるのは収入がシンガポールの上位5%の人だけになります。 

超富裕層が住んでいるセントーサ島】  

外国人が唯一土地付きで購入できるのが「セントーサコーブ」

リゾートのようなセントーサ島には、シンガポール随一のビーチやヨットが係留できるマリーナがあります。

カジノ、ウォーターパーク、遊園地があり、「シンガポールの遊び場」として知られているエリアでもあります。 

 

【富裕層向けの手ごろな2つの住宅エリア

シンガポールで最も裕福な人々が暮らすホランド・ビレッジにあるディリードン・シンガポール

  • 7棟のマンションと1棟2軒のイギリス式の住宅が7つある 
  • 分譲マンションの価格は160万〜470万ドル

 

 ■オーチャード・ロードにある豪華マンション

豪華マンションの価格は2200万ドル~

このエリアは、ビジネスやショッピングの中心地。

ショッピングモールやアイオン・オーチャードがあり、高級ブランド店が軒を連ねています。

 

では、シンガポールのビリオネアの暮らしを見てみましょう。 

 

シンガポール 富裕層の生活事情 

シンガポールは、世界一コストの高い国。

エコノミストの調査部門、Economist Intelligence Unitのレポートによると、シンガポールは5年連続で世界一コストの高い都市となりました。

(2018年:133の都市でパン、ワイン、タバコ、ガソリンなど150品目以上の価格を比較した調査)

🔶シンガポールの物価について詳しくはこちら記事

シンガポールの富裕層は、香港や東京、モスクワ、ロンドンなどの富裕層とは全く異なる特徴を持っています。 

総資産1億円以上のHNWIsを対象にしたAgility Research & Strategyの2017年の調査では、国別富裕層の特徴を明らかにしています。 

 

「Luxury(贅沢)」という言葉の定義

  • 中国や香港のHNWI・・・経済価値や名誉を重んじる 
  • シンガポールのHNWI・・・目に見えない価値を重んじる(体験・ライフスタイルなど)

 

 

超格差社会のシンガポールでは、多くの富裕層はひっそりと生活をしているため、街中で出会う機会はあまりありません。

出会う場所といえば、インターナショナルスクールの行事や習い事、ファッションのイベントなど。 

 

富裕層を最も見かけるのはセントーサゴルフクラブ

このゴルフコースには、海外からVIPやセレブが頻繁に訪れています。 

 

シンガポールのビリオネアたちの社交の場といえば会員制クラブ 

■ストレーツ・クラン(Straits Clan)・・・若い世代向けのクラブ 

クラブは会員については「職業ではなく情熱」で定義されます。 (入会費約3400ドル)

  • 栄誉や功績を超えた大きな将来性
  • カルチャーの担い手
  • マルチな才能を持つ
  • より良い世界の実現を目指している

 

■タングリン・クラブ(Tanglin Club)・・・シンガポールで最も古い会員制クラブのひとつ

入会条件が非常に厳しいクラブです。(入会費は年約4500ドル)

シンガポールの初代警察長官トーマス・ダンマンによって1865年に設立されました。 

 会員になるには、少なくとも3年は在籍している人物2人からの推薦が必要です。

承認されるまでに平均10〜15年かかります。 

 

富裕層の大きな関心事は税金と子供の教育

富裕層の関心事のひとつに、子供の教育があります 

エリートの子弟は、アメリカかイギリスで教育を受けるか、シンガポールの名門校に通います。

名門校は、シンガポールの有力者や起業家・アスリートを多く輩出しています。 

 人気の名門校を2つ紹介します。

■アングロ・チャイニーズ・スクール(Anglo-Chinese School)

1886年設立の名門校 

年間の学費はシンガポール居住者なら3250ドル 

外国人の子弟は2万2000ドル

 

■ラッフルズ・インスティテューション(Raffles Institution)

1823年設立 の歴史ある名門校 

年間の学費は、シンガポール居住者なら約2700ドル

非居住者は約1万8700ドル 

シンガポール 富裕層の 観光旅行に変化が起きている

「Perfect Luxury Experiences(最高の贅沢体験)」に関する調査結果

  • 中国の最高の贅沢体験・・・「ショッピング」
  • 香港とシンガポールの最高の贅沢体験・・・「旅行」 

 

シンガポール国内最大手のメディア「The Straits Times2015年の調査」

出典:THE STRAITS TIMES – What rich Singaporeans want(NOV 24, 2015) 

1億円以上の資産を持つ富裕層の支出は「旅行」に関連する出費が多くを占めています 

シンガポールは国土が狭いため、国内旅行の需要はほとんどなく「旅行=海外」となるからでしょう

 

社会的ステータスから「自己成長と発展・より良質な暮らし」へ

これまで多かった旅行目的は、「社会的ステータスや評価を求めること」でした。

今回のコロナをきっかけに、「自己成長と発展・より良質な暮らし」を求める傾向へ変化しています。

贅沢な旅行は、単に高級な宿泊や優雅に移動することだけではない
買い物需要から経験・体験することこそが、旅行の本当の目的にという方向に変わってきました。

より洗練された旅行体験を求める傾向になった分、

  • 「街巡り」
  • 「ダイビング」
  • 「ビーチ」
  • 「食べ物」
  • 「アミューズメント施設」
  • 「スパ・温泉」

などが、最も多い旅行目的となってきています。

 

 

まとめ: 複合的な魅力が高い国際競争力を生み出す

シンガポールは、ビジネス拠点としてだけではなく、生活拠点としても優れた機能を持ち合わせています。

 

「優遇された税制」と「整備されたインフラ・法制度」といったビジネスのしやすい環境

「アジアの国際金融センターとして最先端の金融サービスを提供」

「衛生的で治安が良い」

「娯楽施設が充実した心地良い生活環境」

「政治に対する国民の信頼が厚く安定」

「高水準の教育により知識・意欲の高い労働力が多い」

 

複合的な魅力こそが外国資本の取り込みに成功している最大の理由であり、高い国際競争力を生み出す取り組みだと言えるでしょう。

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