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シンガポールでの株式の「公開買い付け」について

シンガポールで株式を「公開買い付け」するのは

どのような場合においてでしょうか。

公開買い付けとは

シンガポール市場に上場している企業の株式に関して、

市場以外で一定の買い付けを行う場合、

買い付けする者が買い付け期間や買い付け数量、買い付け価格などを提示し

株主に対して公平に売却する機会を与えることを

公開買い付け」と言います。

 

公開買い付けを行う場合

シンガポールにおいて、合意もしくは双方の了解に基づいて

対象会社の株式の取得により会社に対する実際の支配権を取得する

もしくは支配権を共有する個人あるいは会社が、

その権威を施行する会社の議決権付きの株式を30%以上取得する場合

公開買い付けを行わなくてはなりません。

 

また、対象となるシンガポールの会社の議決権付きの株式を

すでに30%から50%保有している場合で、

6カ月以内にさらに1%以上の議決権付きの株式を取得する場合も、

公開買い付けを行わなくてはなりません。

これらの場合の公開買い付けは「義務的公開買い付け」と呼ばれ、

競走法上の規制も受けますので、

競走法委員会による裁断を受ける必要も生じる場合があります。

 

シンガポール証券業評議会の承認がない限り、

義務的公開買い付けは公開買い付け期間終了までに

買収者もしくは同調者が保有することになる議決権付きの株式が

50%以上の応募があった時に認められます

任意で公開買い付けを行う場合

義務的公開買い付けの条件にあてはまらない場合でも、

任意にシンガポールで公開買い付けを行う場合もあります。

これを「任意的公開買い付け」と呼び、

テイクオーバーコードの規則15条によって定められています。

 

義務的公開買い付けとは異なり、

議決権付きの株式に対する応募が50%を超える場合だけでなく、

それ以外の条件を付記することも認められています。

ですが、買付者が随意で条件を付加することは認められていません。

 

部分的公開買い付けを行う場合

「義務的公開買い付け」を行う場合は、

議決権付きの全ての株式を対象に行うことが前提となっていますが、

「任意的公開買い付け」を行う場合で、

シンガポール証券業評議会から事前に承認を得ることができる場合は、

対象会社の株式の一部だけを対象とする「部分的公開買い付け」を

実施することも認められています。

 

通常の場合、対象会社の議決権付き株式の30%未満の所有を

目的として行う部分的公開買い付けは、

シンガポール証券業評議会により承認を受けることが可能です。

これらの規則はテイクオーバーコードの規則16.1条と16.2条に

明記されています。

 

シンガポールで公開買い付けを行う場合に必要な手続きは、

どのようなものがあるでしょうか。

また、シンガポールで株式の公開買い付け手続きを行う際に、

どのような書類を作成することができるでしょうか。

 

公開買い付けの対価

シンガポールでは義務的公開買い付けを行う場合は、株式を取得する対価として、

現金もしくは現金に代わるものを提供する必要があります。

株式取得に支払われる対価は、

公開買い付け期間もしくは公開買い付け期間6ヶ月前以内に

買収者もしくは買収者と同調する者が支払った価格より

高いものでなくてはなりません。

 

シンガポールにおいて任意的公開買い付けを行う場合には、

株式を取得する対価は、現金もしくは証券、

現金と証券の組み合わせから選択することができます。

ここで支払う対価も、公開買い付け前の3か月以内に

買収者と買収者と同調する者が支払った価格より

高いものでなくてはなりません。

 

シンガポールの法律の上では、

自社株を対価として公開買い付けを実施することは可能ですが、

換金性が高いものでない場合は応募者が減ることが考えられますので、

現実問題として自社株を対価とすることはあまりありません。

自社株がシンガポール証券取引所に上場されている場合など、

株式が市場に出回り流動性が約束されているときに、

このように自社株を対価として公開買い付けを実施します。

公開買い付けの条件の設定

義務的公開買い付けを行う場合は、

競走法委員会により裁断を仰ぐ場合を除いて、

シンガポール証券業評議会の承認がない限り、

議決権付きの株式の50%以上の応募があること以外の条件を

付記することは認められていません。

 

任意的公開買い付けを行う場合は、義務的公開買い付けとは異なり、

議決権付きの株式の50%以上の応募があること以外の条件を

買い付け者の裁量にかかわる随意条件以外の場合のみ、

付記することができます。

 

公開買い付けのスケジュール

シンガポールにおいて公開買い付けを行う場合は、

買収者による公開買い付けの公表により開始され、

買い付け申出書を対象となる会社の株主に送付し、

申出書の写しを証券業評議会とシンガポール証券取引所に提出します。

 

また、対象となるシンガポールの会社は、株主たちに対して、

取締役による公開買い付けに応じるかもしくは見送るのかの

いずれかを示唆する意見書を送付し、

その写しを証券業評議会とシンガポール証券取引所に提出します。

 

買い付け者による買い付け申出書の送付から

28日から60日以内に公開買い付けに対する応募期間を設定します。

通常の場合は、

シンガポールにおける公開買い付けの公表から終了までは2カ月程度になります。