1. TOP
  2. シンガポール 法律
  3. シンガポールの法人税(申告期限・税率・タックスヘイブンについてなど)徹底解説!
Sponsored Link

シンガポールの法人税(申告期限・税率・タックスヘイブンについてなど)徹底解説!

シンガポールの法人税率は17%で、日本をはじめ諸外国と比較してもかなり低いです。

そのため様々な企業がシンガポールに法人の設立や本社の移転を検討しています。

またシンガポールでは様々な優遇税制あるので、実効税率は17%よりもさらに低くなります。

今回はシンガポールの法人税に関することを全て解説しますので、シンガポールで会社を設立したい人はぜひ一読ください。

なおこの記事は法人税についての記事ですが、シンガポールにおける個人の税金ついては、「シンガポールの税金(対策・安い?・法人・個人についてなど)徹底解説!」にて解説していますので、こちらの記事をご覧ください。

Sponsored Link

Contents

シンガポールの「居住法人」と「非居住法人」

シンガポールの税務は法律上、全ての会社は「居住法人」と「非居住法人」に分けられます。

居住法人 会社を左右する意思決定をシンガポール国内で行う法人
非居住法人 会社を左右する意思決定をシンガポール国外で行う法人

このように区分は、法人としての意思決定をシンガポール国内で行っているかどうかで分けています。

「居住法人」は、租税条約の適用対象となり、国外における源泉徴収所得に関して免税措置を適用され、外国税額の控除も受けることができます。

シンガポールではシンガポール居住法人、シンガポール非居住法人を問わず税率は17%と固定されています。

シンガポール建国当時、1965年のシンガポールの税金「法人税」の税率は40%と、現在に比べて非常に高いものでした。

ですが何段階にも分けて税率が下がり、現在では17%になりました。

Sponsored Link




シンガポールとアジア諸国の法人税比較

シンガポールの税金「法人税」の低さは、近隣のアジア諸国と比べてもよくわかります。

アジア諸国の2015年3月現在の法人税の最高税率を見て見ると、フィリピンは30%、日本は25.5%、中国とインドネシアとマレーシアは25%、韓国とベトナムは22%、タイは20%、台湾はシンガポールと同じく17%となっています。

ビジネスインフラが整っているだけでなく、法人税の安さもシンガポールにビジネスの拠点を置く企業が多い理由の一つと成っていることが良くわかります。

シンガポールの確定申告

日本では納税者自身が申告した金額により納税を行います。

この申告した額に誤りがある場合は、税務当局により確認が行われ修正して申告する必要が生じます。

一方シンガポールでは課税額は税務当局が決定し納税者に通知してくれますので、納税者は所得を申告するだけです。

シンガポール法人における確定申告の流れ

シンガポール法人の場合の税務申告の流れはどうなっているでしょうか。

法人は決算日から3か月以内に「見込み申告」をシンガポール税務当局(IRAS)に対して行う。

IRASは「見込み申告」に基づき、賦課通知書を発行する。(大抵の場合は、見込み申告を行ってから1カ月程度で賦課通知書が届きます。)

法人はこの賦課通知書に基づき1カ月以内に納税する。(分割払いも認められていますので、IRASにその旨を尋ねることができます。)

法人は「確定申告」を決算日の次の年度の11月30日までにIRASに提出。

IRASは「見込み申告」と「確定申告」の差額に対して「賦課通知」を発行。

法人は「賦課通知」に基づいて、差額を納めるか還付を受ける。

Sponsored Link




シンガポールの税務調査

日本の場合とは異なり、シンガポールでは税務調査のために調査官が会社を訪れ、関連する書類を閲覧することはほとんどありません。

疑問点や不明点がある場合は文書のやりとりにより解決します。

税務調査の対象期間は、2007年度以前の会計書類は6年間、2008年度以降の会計書類は4年間と定められています。

これらの期間は、書類を破棄せずに保管しておくようにしましょう。

シンガポール法人の法人税納付が遅延した場合

法人税・所得税が納付期間を遅延してしまった場合は納税額の5%を追加で納める必要が生じます

遅延期間が1カ月経過する度にさらに1%の追加徴収があり、最高20%までの追加徴収がありますので、期限は必ず守るようにしましょう。

シンガポールの「所得源泉地」に関する考え方

シンガポールの法人税と所得税は、日本の法人税や所得税とは「所得の源泉地」に対する考え方が異なります。

  国内の所得 国外の所得
日本 課税対象 課税対象
シンガポール 課税対象 課税対象外

どのように異なるか、詳しく解説していきます。

日本の法人税

日本の法人税は「全世界所得課税」を採用しているので、どこの国で得た所得であろうと、その法人が居住する住所がある場所で全ての所得を課税対象とします。

つまり、外国で得た所得であっても、法人の住所を日本と定めているならその法人が得た所得は、全て法人税の課税対象となります。

シンガポールの法人税

シンガポールの法人税の考え方は日本とは異なり、シンガポール国内で発生した所得とシンガポールの国外からシンガポールに送金されたものに対して法人税が発生します。

つまりシンガポール国内に法人の住所を置いている場合でも、シンガポール国外で発生してシンガポール国内に送金されない所得は法人税の課税対象外となります。

法人税課税対象外の送金

シンガポールに送金されたものであったとしても、以下の条件の場合法人税の対象にはなりません。

  • 配当金や支店の利益、国外源泉のサービスによる収入である
  • 所得の発生した国での法人税率の最高率が15%以上である
  • 所得が発生した国ですでに課税されている
  • シンガポール国内で法人としての意思決定を行う「シンガポール居住法人」である

製品売り上げに対する法人税

原則的に製品売り上げによる利益は、税務上も益金計上されます。

サービス収入に対する法人税

原則的には製品売り上げによる利益と同じで、益金計上されます。

ですがシンガポール国外で発生したサービス収入で、その国において15%以上の法人税が課税される場合には、シンガポールにおいては課税対象とはなりません

受取利子に対する法人税

シンガポール国内で発生した預金の利子や貸付金の利子に関しては税務上、益金計上されます。

ですが、シンガポール国外の法人から受け取る金利やシンガポール国内の非居住者の利子なども、シンガポールに送金された時点で、法人税課税対象になります。

配当金に対する法人税

シンガポールでは法人税を最終の納税とみなしますので、配当金を受け取る際には税金は発生しません。

ですが、シンガポール国外の法人からシンガポール国内に配当金を送ってもらう場合には、その配当金が発生した国において課税されていないもしくは15%未満の課税がなされた場合には、配当金であってもシンガポール国内の課税対象となります

株式譲渡益に対する法人税

株式譲渡益つまりキャピタルゲインは、シンガポールでは非課税です。

これは、全てのキャピタルゲインに関して非課税と言うわけではなく、「資本取り引き」に該当する株式譲渡益のみが非課税になるのです。

ここでいう「資本取り引き」とは、値上がりによる利益を目的とした保有でなく、保有期間が長く、短期的な資金調達により購入したものでなく頻繁に売買を繰り返さない取り引きを指すのです。

具体的な目安は、最低でも24カ月以上保有し、20%以上の株式保有率を維持していることとされています。

固定資産譲渡損益に対する法人税

固定資産の譲渡損益は、資本取り引きとみなされますので、基本的には益金にも損金にも計上しません。

ですが、減価償却費に関しては一定額において損金に計上できます

為替差損益に対する法人税

外貨建ての子会社の株式や定期預金、貸付金や借入金などは資本取り引きとみなしますので、益金にも損金にも計上されません。

ですが、外貨建ての営業債権などは資本取り引きではなく損益取引と考え、課税対象となる益金もしくは損金に計上します。

サービスカンパニーに対する法人税

シンガポールで日本本社に提供するマーケット調査を行う法人や、日本本社や関連会社の広告活動のみ行う法人などは、シンガポール国内において費用は発生しますが売り上げは全く発生しないということがあります。

このような「サービスカンパニー」に対しては、関連会社に対する「サービス」を提供していると考え「サービス」という利益が生じたとみなし、法人税を課します。

この場合の「サービス」は具体的な売上額がありませんが、規則的な活動を行うサービスカンパニーに対しては、IRASはシンガポールで発生した費用の105%を一律に売り上げとして考えるように示しています

例えばシンガポールにおける広報活動や市場調査に1,000,000シンガポールドルの費用がかかった場合について考えてみましょう。

シンガポールで発生した費用:1,000,000シンガポールドル

売り上げ(費用*1.05):1,050,000シンガポールドル

課税対象(売り上-費用):50,000シンガポールドル

法人税率(17%):法人税率=8,500シンガポールドル

このように、費用にいくらかの利益を上乗せして売上金として計上する計算方法を「コストプラス」といいます。

Sponsored Link



損金算入の基準

シンガポールの法人税を計算するに当たって、損金とみなすかどうかは益金とみなすかの基準と同じく、資本取り引きは損金とはみなさず、損益取引のみ損金に算入します

また、その金額全てが所得に貢献するためだけに支出された場合、損金として算入します

つまり、個人的な旅行は損金としては算入できませんが仕事上の出張は損金として扱います。

どこまでが費用として認められるか、どこまでが損金算入できるかを把握しておくことは、シンガポールの法人税を理解する上でも大切です。

給与の損金算入

シンガポールの税務上、役員への報酬も含めて全ての給与は損金として算入されます。賞与も給与と同様、損金として算入します。

日本に親となる法人があるシンガポール法人の場合は、給与もしくは報酬がシンガポールの法人が負担すべきものかは吟味する必要があるでしょう。

例えば、シンガポールにある法人が日本の親会社のための市場調査や広報活動を行っている場合、シンガポールの法人で全ての報酬や給与を賄うのは、問題となります。

福利厚生費の損金算入

シンガポールでは国民医療保険に該当するシステムがありませんので、法人の損金としては算入できません

ですが、それ以外の福利厚生にかかわる費用は全て損金として算入することができます。

保険料の損金算入

国民医療保険はありませんが、従業員の報酬額の1%までは法人が従業員の保険料を一部負担するという名目で、損金として算入することができます。

生命保険に関しては受益者が法人の従業員となる場合は給与扱いで損金算入し、受益者が法人となる場合は、全額損金に算入することができません。

交通費の損金算入

日本と親法人、シンガポールの法人の役員を兼ねるものが日本に出張する場合は、どちらの法人の費用となるかはその場合によって異なります。

どちらの法人の事業としての出張なのか目的を明確にし、各法人に交通費として請求することができます。

車両費の損金算入

一般的にシンガポールでは、社用車には「Sプレート」が付されます

このSプレートは、損金として算入できませんので、社用車は損金へ算入することができないと言えます。

貨物運搬用車に付される「Gプレート」は損金算入できます。

社用で利用する車であっても政府関係の車両や、特殊仕様車、バスやタクシーなどを保有する場合は、Sプレート以外が付されますので、車により損金算入できるかが異なります。

シンガポールでの法人にかかる費用について、どの費用が損金として算入できるかどうかを理解しておくのが大切です。

事務所家賃の損金算入

シンガポール法人の事務所家賃は全額損金として算入できます。

ですが賃貸契約を結ぶ際の印紙税や代理店にかかる費用は、損金として算入することはできません。

租税の損金算入

シンガポールの法人税や、外国での法人税に関しては、損金として算入することはできません。

消費税(GST)に関してはGSTに登録している業者が支払うGSTは損金として算入できませんが、GST登録を行っていない業者の支払うGSTは、算入できます。

事業用の資産の固定資産税は損金として計上できますが、それ以外の資産にかかる固定資産税は計上できません。

固定資産を取得する際、株式を取得する際、また事務所の賃貸契約の初回の印紙税は損金として計上できませんが、事務所の賃貸契約の更新時の印紙税は、損金計上可能です。

通信費の損金算入

通信費は全て損金として計上することができます。

専門家に対する報酬の損金算入

会計士に支払う費用や、弁護士に支払う費用は、シンガポール法人の事業活動にかかわる場合は、損金に算入できます。

ですがシンガポール法人の事務所など不動産の賃貸契約時の専門家に支払う費用は損金算入対象外です。

交際費の損金算入

接待費や交際費も、シンガポール法人の収益にかかわる費用に関しては全額を損金として算入することができます。

シンガポールで法人として活動していくうえで、日本人会などの同業者団体に加入する入会金は、損金計上できませんが、年会費は損金として計上することができます。

支払い利子の損金算入

シンガポール法人の収益にかかわる資産の取得や機材の導入の際に資金を借用した場合、その借用金に対する利息は損金として算入されます

ですがそれ以外の借用金の利息は、原則として算入できません。

寄付金の損金算入

寄付金は、シンガポール法人の収益とは関係がありませんので、損金として計上することができません。

ですが政府系の団体など、認定を受けた機関に対する寄付金は、寄付金として支払った額の250%までを損金として計上することが可能です。

シンガポール法人開設にかかわる費用の損金算入

シンガポール法人開設は、シンガポール法人としての収益に直接関連がないので、損金として計上することができません。

ですが、最初の売り上げが発生する年の1年前までに生じた費用は、損金として計上することができます

シンガポールの法人税率と外国税額の控除を見ていきましょう。

シンガポールの法人税率

シンガポールの法人税率は、一律に17%と定められています

ですが、10,000シンガポールドル以下の課税所得額に対しては75%を免税とし、10,000を超えて300,000シンガポールドル以下は50%を免税とします。

300,000シンガポールドルを超えて取得した所得の場合は、免税対象はありません。

例えば400,000シンガポールドルの所得があった場合、以下のような算出方法となります。

最初の10,000シンガポールドル(75%が免税)=7,500シンガポールドル

次の300,000シンガポールドル(50%が免税)=145,000シンガポールドル

免税対象7,500+145,000=152,500シンガポールドル

課税対象となる所得額400,000-152500=247,500シンガポールドル

納税額=247,500の17%=42,075シンガポールドル

シンガポールの新設法人開設の免税特例

シンガポールで新規に設立した法人で、株主が20人以下かつ全てが個人株主であり、シンガポール居住法人である場合は法人設立後3年間、特例を受けられます。

この特例とは、100,000シンガポールドル以下までの所得は全額免税、100,000を超えて300,000シンガポールドル以下の所得は50%免税です。

外国税額の控除

シンガポールの法人が、シンガポール国外で発生した所得に対してシンガポール国内に送金してもらった場合には、一定の要件を満たす所得以外は課税所得と考えられます。

この一定の要件とは、配当金、支店の利益、国外で発生したサービス収入を指します。

ですが、所得が発生しているシンガポール以外の国ですでに納税を行い、その国の所得にかかわる税率が15%以上の場合で、シンガポールに課税所得がある場合には、外国で発生しシンガポールに送金された所得に対して、「外国税額」として控除のメリットを受けます。

例えば、日本のように所得税率が15%以上の国で発生した所得で、すでに日本で納税を納めた所得をシンガポールに送金する場合は、シンガポールで再度納税する必要はありません

ですが、所得税率が15%未満の国、例えばインドネシアで10%の所得税を納税した場合の所得をシンガポールに送金した場合は、シンガポールでも再度納税する必要が生じ、二重に課税されることになってしまいます。

この「外国税額に対する控除」には、上限額は定められておりません。

Sponsored Link

シンガポールの「企業優遇税制」について

シンガポールには、外国企業が進出したくなるような魅力にあふれる税制があります。シンガポールの「企業優遇税制」について見ていきましょう。

地域統括会社としての企業

アジアやオセアニアの統括会社として、シンガポールに会社を設立する場合は、増益分の適格所得について3年間にわたって15%の軽減税率が適用されます。

この適格所得とは、海外の管理費やサービス料、売り上げ、貿易所得、ロイヤルティーなどを含みます。

3年以降も、会社が基準を満たしているならさらに2年間15%の軽減税率が適用されます。

満たすべき基準には次のような点が要求されます。

  • 資本金が1年以内に20万シンガポールドル以上
  • その後3年以内に50万シンガポール以上に増えること
  • 本部としてのサービスを提供し、三カ国以上の国外の関連会社と繋がっていること
  • 優遇税制適用期間中に、従業員の75%以上がシンガポールの国家技術資格2級を取得し、3年以内に10人以上の専門資格を有するものを追加で雇用すること
  • 3年以内に上位5人の平均年収が10万シンガポールドル以上になること
  • 3年以内に年間の事業支出が200万シンガポールドル以上増加すること

申請窓口はシンガポール経済開発庁です。

パイオニアとしての企業

パイオニア企業と認定されると、最大15年間の法人所得税が免税されます

この「パイオニア企業」としての基準は明確なものがなく、シンガポール政府と交渉することで認定を得ることができます。

シンガポール経済開発庁は、その企業が生み出す製品の種類や投資規模、技術のレベルなどから、パイオニア企業認定を下します。

この税制の申請する窓口はシンガポール経済開発庁です。

開発・拡張会社としての企業

新規プロジェクトを実施し、シンガポールにおいて事業の拡張を積極的に行っていると判断されると10年間、5%もしくは10%の軽減税率が適用されます。

対象となるのはパイオニア企業として認定を受けていた企業や、パイオニア企業として認定を受けられなかった企業です。

事業内容などの確認や基準を満たしているかの審査を通ると、一度に5年ずつ最大合計20年まで、軽減税率の適用が延長されます。

延長申請は企業側が自発的に行う必要があり、そのたびごとに詳細に審査を行います。

開発・拡張会社として認定されるためには、固定資産の投資額やシンガポールにおいての事業支出総額、プロジェクトの室や技術開発能力、技術革新内容などが秀でていると判断される必要があります。

この税制の申請する窓口は、シンガポール経済開発庁です。

シンガポールでは外国資本の参入を誘致するために、様々な企業優遇税制を実施しています。

国際海運企業としての認定

世界的にネットワークを有する国際海運会社がシンガポールでも事業計画を立てる場合、「国際海運企業」として認定を受けると、10年間、特定の海運の収益に対して法人税が免除され、シンガポールに在住しない法人に対する源泉税も免除されます。

この税制の申請と認定を行うのはシンガポール海事港湾庁です。

海運関連支援企業としての認定

「海運関連支援企業」として認定を受けた場合は、海運関連支援サービスで得る増収分の法人税に対しては5年間にかぎり10%の軽減税率の適用を受けることができます。

対象となるのはシンガポール国内で船舶代理店業務や船舶売買の仲介業務、船舶管理や物流サービスなどへの事業計画を持つ企業です。

この税制の申請および認定は、シンガポール海事港湾庁で行います。

海事リース企業としての認定

「海事リース企業」として認定されると、5年を上限として、リース事業もしくは傭船所得に対する法人所得税が5%もしくは10%の軽減税率適用になります。

対象となるのはシンガポールにおいて船舶やコンテナーなどのリースを行う企業、もしくはリース事業に携わる信託会社や船舶投資ファンドなどです。

コンテナ船を取得する際にローンを組んだ場合の利息にも、源泉税の免除が適用されます。

この税制の認定と申請は、シンガポール海事港湾庁が行います。

航空機リース企業としての認定

シンガポールにおいて航空機のリースを行う会社もしくは信託会社は、

「航空機リース企業」として申請することができます。

申請が認定されると、5年を上限として、リース所得に対する法人所得税が

5%もしくは10%の軽減税率となります。

認定された航空機を取得する際に、

ローンなどを利用した場合の利息に関しても源泉税が免除されます。

この税制の申請と認定は、シンガポール経済開発庁が行います。

国際的トレーダー企業としての認定

石油製品や化学製品、禁足や電子部品、建築資材や農産物などを国際的に貿易する企業で、シンガポールを貿易の活動拠点として経営や財務管理を行う企業は、「国際的トレーダー企業」として、申請することができます。

認定されると、特定商品のオフショア貿易に対する収益において法人所得税が5%もしくは10%と、軽減税率の適用がされます。

この税制の申請と認定は、シンガポール国際企業庁が行います。

国際地域統括会社としての認定

シンガポールの税制上、「国際地域統括会社」として認定を受けると、「地域統括会社」としての認定を受ける場合よりもさらに低い税率が可能になることがあります。

国際地域統括会社の認定基準

シンガポールの税制上、国際地域統括会社として認定を受けるためには、地域統括会社としての認定基準を最低限満たしている必要があります。

地域統括会社としての認定基準を満たしたうえで、シンガポール経済開発庁と協議を行い、承認を得る必要があります。

地域統括機能

地域統括機能をシンガポールにおいて発揮していることが必要です。

地域統括機能とは、総務・管理業務、教育・人事管理業務、技術力のサポート、財務に関する調整機能、知的財産権の管理業務、営業や企画業務、市場リサーチ・投資リサーチ機能などです。

これらを高水準で果たしていることが認定の大きなカギになります。

企業としての規模

企業設立後初年度に、20万シンガポールドルの資本金を有し、3年目までには50万シンガポールドル以上に資本金を増大させることも条件の一つとして挙げられています。

企業設立初年度内に、シンガポール以外の3つ以上の国の子会社、支店、グループ会社、合弁会社などに対して、最低3種類以上の統括機能を発揮することも求められています。

雇用面で見た基準

シンガポールの国家技術資格2級以上を所持する従業員が、全体の従業員の中で75%以上を占めることも求められています。

優遇期間内にこの目標を達成することが求められますので、従業員に対して、資格勉強を積極的に促す必要があります。

優遇期間内に、正式な資格を持つ専門職社員が10人以上増加することも必要です。

また、優遇期間終了までに上位5人の管理職従事者の平均年収が10万シンガポールドル以上になっている必要もあります。

支出面で見た基準

優遇措置期間終了時に、シンガポールにおいての事業支出が優遇措置が開始した時期と比べて年間200万シンガポールドル以上に増えている必要があります。

また、優遇措置期間の累計年間事業支出が、優遇措置開始前と比べて300万シンガポールドル以上増えていることも求められています。

これらの基準を満たしつつ、シンガポール経済開発庁と協議をし「国際地域統括会社」と認定されると、法人所得税率が5%もしくは10%となり大きなメリットを得ます。

Sponsored Link




合併や事業譲渡による法人税

シンガポールでは税制上キャピタルゲインについての課税はないので合併や事業譲渡により何らかの利益が発生したとしても、それによる法人税の増加や、課税は行われません。

つまり一度税金を納めた対象に対しては、売却や譲渡などにより利益が発生したとしても、その利益に対しては税金を納める必要がありません。

固定資産の譲渡

シンガポールの税制上、固定資産の簿価を課税なしに引き継ぐことが可能です。

なぜなら企業の再編成により固定資産をグループ内で譲渡する場合には、資金的に親子関係にある会社、もしくはグループ内の地位が兄弟関係にある会社の場合は、一定の条件さえ満たせば固定資産を移動することにより課税は行われないからです。

棚卸資産の譲渡

シンガポールでは税制上、親子関係にあると考えられる会社、もしくは兄弟関係にあると考えられる会社の事業譲渡の場合、棚卸資産の譲渡に対しても、課税されません。

ですが、兄弟関係や親子関係が認められない企業間、もしくはシンガポール国外の棚卸資産の譲渡の場合は、シンガポールの税制上でも、課税対象の所得となります。

不良債権の譲渡

譲渡するシンガポールの企業において、不良債権があった場合には、譲渡する側で貸倒処理を計上するならば、シンガポールの税制上、不良債権を損金として算入することはできません。

合併した場合の資産

「合併」という手段を用いてシンガポールにある企業を再編成する場合、合併を実行した日から90日以内に、シンガポール課税当局に申請をし、「適格合併」の承認を受け取ります。

「適格合併」の承認を受けると、シンガポールの税制上、シンガポールにおける事業は合併後の企業に全て引き継がれると認められたことになります。

この場合は、固定資産や棚卸資産。不良債権などもシンガポールの税制上の簿価で合併会社に引き継がれます。

全ての基準を満たした場合の例外

シンガポールの統括会社が、上記の「事業」「実体」「管理」において全ての条件を満たし、タックスヘイブン対策税制の適用を除外された場合でも、「資産性所得」に関しては、日本の課税と合算されることがあります。

「資産性所得」とは、株式の配当や利子、支払われるロイヤルティ、また保有する資産に対する使用料や、船舶や航空機の貸付料などを指します。

シンガポールの「移転価格税制」と「源泉徴収課税」について

移転価格税制

移転価格税制」とは、海外に関連会社や子会社がある法人が取り引き価格などを操作することで、所得を海外に移転することを防止するために、実施される税制です。

シンガポールでも「移転価格税制」があり、国外の関連会社との資産の売買やサービスの提供などを対象にこの税制が適用されています。

利子とサービス提供のIRASの方針

シンガポール課税当局(IRAS)では、シンガポール国内の関連企業間は、無利子での貸し付けを認めていますがシンガポール国外の関連企業間は、関連のない企業間と同じ利子で貸し付けするべきと考えています。

源泉徴収課税

シンガポールでは、

貸付金等にかかる利子は15%の源泉徴収を行い、

動産の使用量に関しても15%の源泉徴収を行い、

会計士など専門家への報酬も15%も源泉徴収を行い、

ロイヤルティに関しては10%の源泉徴収を行い、

無形資産の使用量に関しても10%の源泉徴収を行い、

REITの分配金についても10%の源泉徴収を行い、

芸能人の活動においても10%の源泉徴収を行い、

翌々月の15日までに納付すること

が定められています。

また、

シンガポール法人のマネージメント費用に関しては17%、

シンガポールに在住していない取締役の報酬に関しては20%

の源泉徴収を行い、翌々月の15日までに納付しなくてはなりません。

租税条約を締結している場合は、税率が軽減されることもあります。

支払先が租税条約を締結している国の法人かどうかは1年に1度、IRASに居住者証明を提出して確認します。

租税条約を締結している国との源泉税率

日本にある親法人が、シンガポールにある子法人に貸し付けをしている場合、貸付金に対する利子を支払う際には日本とシンガポールで租税条約が結ばれているので低減税率を適用することができます。

シンガポールの法律では貸付金に対する利子の源泉徴収税率は15%ですが、日本とシンガポール間の租税条約を適用し、10%に低減できます。

この低減税率を実施するためには、日本にある親会社が日本の居住法人であることを証明するために、日本の税務当局が親会社が日本の居住法人であることを証明する書類をシンガポール税務当局であるIRASに提出して下さい。

居住者であることを証明するフォーマットが、IRASのホームページでダウンロードできますので、必要事項を記入して、日本の税務当局の押印を得て、その原本をIRASに、年に一度提出します。

この手続きをしなくては、低減税率を活用できません。

シンガポールの税務「優遇税制の活用」

シンガポールでは企業活動を活発にするために様々な「優遇税制」が設けられています。

生産性・技術革新控除税制1

シンガポール法人が、人材の生産性を向上させ、技術革新を行うために必要な活動に対して、支出の損金としての計上を優遇する税制です。

次の5つの活動において必要とされる費用を、400%経費として控除するか、60%を補助金としての還付を受けるかを選択することができます。

経費として控除する場合は、最初の400,000シンガポールドルまでとされ、400,000シンガポールドルを超えた分に対しては100%のみ経費として控除することができます。

①従業員の研修

シンガポール法人の外部における研修は全て、この税制の適用を受けます。

また、内部においての研修は、年間10,000シンガポールドル以下の活動において税制の適用を受けます。

②自動化設備の投入

シンガポール課税当局(IRAS)が指定する設備を導入する場合は、生産性・技術革新控除の対象内になります。

③知的財産権の取得

シンガポール法人が、事業として使用するために取得した知的財産権の購入にかかわる費用が対象となります。

メディア関連やデジタルエンターテイメント関連は対象外です。

④知的財産権の登録

シンガポール法人が自社で開発した知的財産権を登録する場合は、登録にかかわる諸費用を控除対象にすることができます。

⑤新製品とデザインの開発

新製品を製作する際に必要な費用と、工業用のデザイン制作にかかる費用もこの税制の対象内です。

生産性・技術革新控除税制2

研究開発にかかわる人件費や消耗品などは、生産性・技術革新控除税制の対象内となります。

この場合は最初の400,000シンガポールドルまでは400%を経費として控除対象とすることができ、

400,000シンガポールドルを超えた場合は、150%を経費として控除対象にすることができます。

国際貿易プログラム税制

シンガポールにおいて、国際貿易の発展となる販売機能を持ち、特定の商品の取り引き活動を大規模に行う法人を対象にした、優遇税制が「国際貿易プログラム税制」です。

この税制の対象法人となると、5年間は対象となる取り引きにおいて10%の低減税率を適用できます。

対象となる法人は次の条件が揃っていなければなりません。

  1. 国際的な販売網を持つ貿易会社であり、
  2. 主要事業がオフショア取引でシンガポール国内において事業支出が相当額あり、
  3. シンガポール国内において貿易にかかわる実務の専門家を雇用している

地域統括会社税制

シンガポールで一定の条件を満たすと、地域統括会社税制(RHQ)の恩恵を受けることができます。

この地域統括会社税制は、一般的に17%の法人税が指定された費用に限り3年間の15%の低減税率を採用することができるものです。

この一定の条件とは、次のものとなります。

・統括事業を、シンガポールを拠点として行っていること

・資本金が適用期間内に増加すること

・優遇税制適用期間内にシンガポール国家が指定する技能検定の保有者が全従業員の75%以上になること

・優遇税制適用期間内に、3カ国以上の国へ統括サービスを提供すること

・優遇税制適用期間内に、専門家の雇用を10人以上増やすこと

・優遇税制適用期間内に、上位5人の平均報酬額を100,000シンガポールドル以上にする事

・年間事業支出を優遇税制適用期間の3年間で200万シンガポールドル以上増加すること

・優遇税制適用期間内に、3種類以上の統括サービスを提供すること

・優遇税制適用期間内の累積事業支出が、300万シンガポールドル以上になること

シンガポールの法人が、地域統括会社として地域統括会社税制の対象となった場合、次の所得の増加分に対して、優遇税制の適用が認められます。

経営管理、人事管理、知的財産権の管理

・事務サービスの代行

・事業に関わる企画の立案

・財務アドバイス

・研究開発費

・物流の管理にかかわる費用

国際統括会社税制

シンガポールの法人が、地域統括会社の税制適用対象と認められ、さらに満たすべき基準を大きく上回った活動を行う場合には、「国際統括会社」として認定されます。

国際統括会社として認定されると、対象となる所得の増加分に対して5年間から10年間の優遇税制を受けられます。

この優遇税制は、10%以下の軽減税率ですので、地域統括会社の場合と比べ、非常にメリットが大きいと言えます。

金融統括機能会社税制

シンガポールをハブとして資金管理を行う機能を有する会社に「金融統括機能会社税制」を適用し、優遇税率を利用できるようにしています。

適用することができる会社の条件は、

年間の事業支出が750,000シンガポールドル以上で、

金融に関する専門の資格を有するスタッフを3人以上雇用し、

3社以上の関係会社に、3つ以上の金融サービスを行い、

シンガポール国際企業庁への申請を行うこと

この「金融統括機能会社税制」が適用されますと、認定された関係会社に対する記入サービスと利息、配当金にかかる手数料に5年間から10年間は、軽減税率10%が適用されます。

また、シンガポール国外への借入金の利息や社債にかかる利息も、源泉税は免除されます。

M&Aスキーム税制

M&Aスキーム税制とは、シンガポール国内において、M&Aを推進することを目的とした税制です。

この税制を適用されるためには、買収する法人がシンガポール居住法人であり、買収した結果を合わせて50%以上の株式を保有することになります。

すでに50%以上の株式を保有して買収する場合条件となるのは次のような企業です。

買収した結果と合わせて75%以上の株式を保有し

買収される法人が事業活動を実際に行い

1年間に最低3人の従業員が存在する

この条件に当てはまるM&Aに関しては、

上限を500万シンガポールドルとする買収額の5%を、5年間以内に損金として算入することが可能になり、

上限を20万シンガポールドルとして印紙税が免除され、

上限を10万シンガポールドルとして、シンガポール法人取得にかかる手続き等の費用の200%を控除することができます。

二重控除税制

シンガポールの中小企業が海外進出することを促進するための税制です。

次の費用はシンガポール国際企業庁もしくはシンガポール政府観光局への申請をせずとも、年間100,000シンガポールドルまでの二重控除が認められます。

  • 海外の市場開拓のための出張費
  • 海外の投資先調査のための出張費
  • 海外の展示会などへの参加費
  • 国内の展示会の参加費

ここで指す二重控除とは、一度の経費を二回、損金として所得に計上することができることです。

指定された活動以外の活動に対しては、シンガポール国際企業庁もしくはシンガポール政府観光局へ申請する必要が発生します。

シンガポールの法人税まとめ

本記事ではシンガポールの法人税について解説しました。

シンガポールは法人税が低いだけでなく、国外の所得やキャピタルゲインなど非課税となるものが多く、ほとんどの場合実効税率は17%を下回ります。

海外に拠点を置くことを検討されている方はシンガポールで会社設立することも大きな選択肢になると思います。

なお、シンガポールでの会社設立に関する詳しい情報は「シンガポールの会社設立・法人設立(その他、精算・資金調達・支店・駐在員事務所も)徹底解説!」にてお伝えしています。

ぜひ、御覧ください!

 

\ SNSでシェアしよう! /

シンガポール移住生活&観光&ビジネス singainfo.comの注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

シンガポール移住生活&観光&ビジネス singainfo.comの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

コメントを残す

*

その他の記事

  • シンガポールの税金(対策・安い?・法人・個人についてなど)徹底解説!

  • シンガポールの法人税(申告期限・税率・タックスヘイブンについてなど)徹底解説!

  • シンガポールの会社設立・法人設立(その他、精算・資金調達・支店・駐在員事務所も)徹底解説!

  • シンガポールの賃貸物件(コンドミニアム)の借り方や注意点をわかりやすく解説!

関連記事

  • シンガポールの税金(対策・安い?・法人・個人についてなど)徹底解説!

  • シンガポールの税務 「物品・サービス税(GST)」

  • シンガポールに法律について

  • シンガポールの税金「個人所得税の納税方法」について

  • シンガポール移住による「資産関連のメリット」

  • シンガポール駐在員に対する「所得税の優遇措置」について